米政府機関閉鎖が長引き、本日は最重要経済指標「雇用統計」発表の日なのだが、それを発表できる状況ではない。雇用状況は、FRBがその悪化傾向を最も重視している。そこで、民間では、雇用統計を真打とすれば、前座役の民間各種雇用統計を精査して、なんとか実態を把握すべく努めている。
昨日の、チャンレンジャー社の雇用統計(これまで全く注目されていなかったが、代替指標として注目されている)で、10月の人員削減数が15万人超と、1-10月の累計では、2020年以来の高水準となった。
これで、一気に米労働市場悪化のレッテルが貼られる成り行きとなったのだ。

そこで、まず売り込まれたのが、割高感強く、昨日本欄で書いたパランティア社とエヌビディア社。
結果的にナスダックが売られ、リスクオフ状態と化した。リスク回避マネーは米国債に集中。
金は一服中とのことで、微増に留まった(下記KITCOグラフ緑線)。

前日のKITCOグラフ

いずれにせよ、「空売り王」マイケル・バリー氏は、してやったりとばかりに、高笑い。
なお、金は、売買を繰り返し、じわり、価格水準を切り上げる段階だね。

総じて、金も米AI株も、突出した人気ぶりに、「バブルではないか」との議論が昨日も絶えなかった。筆者の「金はバブルにあらず」との見解は昨日本欄に記した。
AI株も、まだAI時代の始まりの段階ゆえ、先取りして株価が上がっているわけで、バブルと簡単には片づけられない。

最後に日経平均。
本稿執筆時点では、5万の大台を割り込んでいる。
依然、日経平均指数の寄与度が著しく高いソフトバンクとアドバンテストが下げを主導する展開。来週にはソフトバンクの決算発表の結果次第では、下げに拍車がかかる可能性もある。
株から金へのマネー逃避のシナリオも考えられる。
来週は波乱含みだ。

さて、最後に、Xの@jefftoshimaに、なりすましが現われているので注意を喚起しておきたい。
私のアイコンをそのまま使って、やれ秘書アカウントだ、やれアシスタント・アカウントだと吹聴して、もっと詳細を知りたい人はこちらへ、などと誘導している。私は、Xのアカウントで、コメント欄に書き込むことはありません!この類のなりすましは、消去しても、すぐ現れるので、くれぐれもご注意を。

なお、真面目な質問もあり、アジア時間に買われているのは、なぜとの疑問。
これは、中国人の富裕層長期的買いや中国のヘッジファンドの短期的買いだ。
元来、不動産が最も重要な資産であったが、不動産市場破綻で、マネーが同じ実物資産でしかもドル建て資産である金に移りつつある。