日本の政変など、金価格を動かす要因にはならないと思っていたが、円安が150円台まで進行したことで、まず、円建て金価格が本日も最高値を更新する経緯となった。

同時に、NY金(12月限)も、本日昼時点で、40ドル程度急騰。
3,950ドル台に突入中だ。

本日は、中国がお休みのため、アジア時間帯では、GLOBEXと呼ばれるNY市場時間外売買のプラットフォームでの値付けが国際相場を牽引している。

背景要因としては、引き続き、中東・ウクライナ関連の地政学的リスクが効いている。ポーランド空軍の緊急発進(ロシア軍の領空侵犯の可能性による)や、ガザの人質解放の動きにも関わらず、イスラエルの攻撃止まず、との報道など。枚挙にいとまがない。(ポーランドが、公的金準備を増やすわけが分かるね)。

但し、4,000ドルに接近すると、投機筋が、「有事の金」を囃して、個人投資家の買いを意図的に誘発する姿勢も顕在化。

これには注意が必要。
毎度言っているように、一喜一憂するな。
こつこつ、貯金感覚で文字通り「金を貯めろ」と、4,000ドルが近いからこそ、強調しておきたい。

今年の金相場の暴騰が、来年まで続くとは思わない。
明らかにスピード違反。
来年は上昇するにしても、スピードは今年より遅くなると思う。
もちろん、中銀の金買いが続く限り、長期的上昇傾向は変わるはずもない。
(今週の相場材料としては、FOMC議事録発表にも注目している。利下げ積極派と慎重派に真っ二つのFOMCで、どのような議論が交わされたのか。その一端が、行間に読めるか否か)。

なお、外為市場の円安と日経平均のこれまた「暴騰」については、いずれも「高市サプライズ」ゆえのこと。
150円程度のドル円相場は驚かないが、日経平均の上げっぷりには、高市バブルの匂いも漂う。まだ、首相に就任したわけではないが、財政拡張が株式市場で期待されている。財政規律の緩みは覚悟のうえのこと。

更に、女性首相誕生は歓迎するが、彼女の強い保守傾向は、必ず、対中で問題を惹き起こすと思う。(まず、靖国訪問続けるか。そして台湾の政治家訪問も継続?)。

アジアの中の一国で財政赤字大国でもある日本の国民は、自らを自らで守らねばならぬことを痛感。