金のスポット価格上昇を示すグラフ

ドラマチックな大相場になってきた。
金国際価格は、ロコロンドン3,535ドル。
NY先物(12月限)は、なんと3,604ドル。(本稿執筆時、午前10時)。

昨日の続騰には新たな理由がある。
トランプの相互関税など関税連発は、大統領の権限を越えた行為で、憲法違反との判決が、一審に続き、二審でも支持され、トランプ政権側は、上訴して最高裁に持ち込むことに。違憲が確定すれば、これまでに徴収された関税は、「利息」として還付される。仮に、そうなると、巨額財政赤字の穴埋めに関税収入を当て込んでいたトランプ大統領には打撃となる。この財政悪化の可能性が懸念され、米債券市場では長期債が売られ、一時は利回りが5%を超えた。これは「悪い金利上昇」であり、金には買い材料となる。

思い起こせば、ギリシャ債務危機のときは、ギリシャ債利回りが30%をこえても、買い手がつかなかった。「悪い金利上昇」の典型であった。そして、金価格は急騰した事例がある。金は発行体がないので、発行体の信用に揺らぐことはない。無国籍通貨と言われる所以だ。

更に、昨日は、米重要経済指標であるISM製造業景況感指数が発表された。48.7と前月の48.0を上回ったものの、個別では「雇用」が7か月連続で50を下回るなど、良い数字とはいえない結果となった。そうなると、FRBは利下げしやすくなる経済環境といえる。これも金には追い風。

かくして、既に米連休中のNY市場時間外で上げ始めていた国際金価格が、添付のKITCOグラフ緑線の如き上げっぷりになったのだ。スポットも3,500ドル超え。筆者が強い上値抵抗線と見ていた3,500ドルを、ロンドン現物とNY先物の両市場で本格的に突破したといえよう。

ちなみに、ドル金利が上がれば、外為市場では、ドル買い・円売り圧力が強まり、円建て金価格には追い風となる。日銀利下げの可能性も語られるが、150円程度の円安が見込まれる。


さて、3,600ドルを超えると、益々、金市場は、「海図なき航海」状態となる。日々の値動きが、プロにとっても未体験ゾーン。筆者のアドレナリンも出っぱなし。猫で癒される限界を超えているよ(笑)
昨晩も、NY市場をフォローして徹夜状態。
昼寝する前にブログを書いた次第。
おやすみなさいzzz