日本の善良な市民が、生命保険をかけるという行為は、概ね、子供や孫たちへ、少しでも資産を残る、或いは、負の遺産(借金)を少しでも減らしたいとの切実な願いがあるからであろう。

対して、生命保険会社は、顧客の死までの、長い期間を通じ、払い込まれた生命保険料を長期運用して、生命保険料支払いの時に備える。そこで、20年国債とか40年国債など、超長期国債を、セイホは購入・保有してきた。
しかし、ここにセイホ独特のリスクがある。
20年後、30年後、40年後の長期期間の、ある年に特殊要因で、死亡者が急増するような事態が生じた場合、セイホが一挙に大量の超長期国債を売却せねばならない。国債は売られると、国債の価格が下落して、保有者に含み損が発生する。同時に、円金利も急上昇するからだ。
その結果、最悪の場合には、セイホが巨額の損失を計上する羽目になり、生命保険支払いに支障が生じるリスクがあるのだ。それゆえ、金融庁は、セイホの国債保有状況を監視している。近年は、日本国債の保有を減らすべく指導してきた。その結果、日本国債の最大の保有者は、実は日銀、という、これまた、どう見てもヤバイ事態が生じている。

加えて、目下の問題は、日銀が利上げするケース。
金利を引き上げれば、物価上昇にブレーキをかけられるが、セイホは損失を蒙るかもしれない。(ちなみに円高傾向も強まる)。
それゆえ、日銀植田総裁の利上げに関する発言が市場では注目を浴びるのだ。もちろん、植田総裁は、言質を取られぬように、慎重に語ることが常だ。市場は「いつ利上げに踏み切るか」の判断について、疑心暗鬼の常態に置かれ、神経質になる。
そこを、待ってました!とばかりにチャンスとみて、JGB市場を荒らすのが国際投機筋だ。

今年のジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演が専ら注目されているが、NY市場では、植田日銀総裁の発言からも目が離せないと身構える人たちが多いわけだ。

保険と金は、有事に備えるという意味では共通点がある。
金を保有する生命保険会社も世界では少なくない。
日本でも、セイホが金大量購入、などという見出しが経済紙面に踊る日が来るかもしれない。既に、中国では、生命保険会社の金購入が奨励されている。


さて、筆者が夏季、札幌に長期滞在中に、本欄ブログ読者たちが、お馴染みマガーリ@米沢(山里マガーリと命名)を訪れているとのこと。自由が丘時代には、住まいがご近所だったので、マダムとシェフと親戚付き合いしていたが(ワンちゃんも含め(笑))、この夏は、筆者が本州の超酷暑にビビり、札幌から離れられない。
秋のシーズンになれば、ゴルフバッグ担いで、きっと米沢に行くぜ。
裏磐梯のホームコースから近い距離だしね~