先週金曜日午後9時半に発表された雇用統計。
今回の数字は想定以上の下落。
更に、前回、前々回の新規雇用者数が大幅に下方修正。
そして、12時間後の土曜日午前9時半から、BSテレ東の「日経サタデー」に生出演。
TVerで、1時間番組全部見れるよ↓
日経サタデー ニュースの疑問
#TVer
https://tver.jp/episodes/ep0097ln99
私の反応は、たまるか!(今のNHK朝ドラで飛び交う高知弁で、びっくり!ということ)
まぁ、何が起こるか分からない雇用統計ゆえ、番組打合せの時から、台本作っても、雇用統計で市場の景色変わるかも、と言っていた。結局、番組直前に、大幅な台本書き換え。ほぼ、でたとこ勝負。
この米労働市場の悪化で、ほくそ笑んでいる人が二人いる。
FRB高官、ウオラー氏とボウマン氏。
いずれも先週のFOMCで利下げせずとのパウエル議長の決断に公然と、労働市場不安を理由に反対意見を述べ、反旗を翻していた。FRBに利下げを威嚇強要するトランプ氏の息のかかった人物。
なお、エプスタイン・スキャンダル(話が長くなるから読者は自分で調べて)を嫌気して、コアの支持者たちが「トランプ離れ」に動いたことで、トランプ氏の焦りが強まっていることにも筆者は言及した。雇用者の増加が鈍いことを理由に担当官僚を解任するなど、常軌を逸している。
この雇用統計悪化の結果、9月利下げ確率が、30%台から80%台に瞬間的に急増した。発表前後の数分で、これだけ確率が急上昇するのも見たことがない。米利下げの回数が増えれば、ドル安、そして、円高。147円。短期通貨投機筋による円売りドル買いポジションの損切り手仕舞いが集中した。
そして、国際金価格はスポットで一気に3350-60ドル台まで反発。
下げを見込んだ空売りショート筋が、慌てて、手仕舞い(ショート・カバー)に動いた。
今後どうなるか、といえば、普段から「データ次第で決める」と明言してきたパウエルFRB議長が、この雇用統計データ悪化で、「利下げ慎重論」を緩めるか。否、それでも、「一か月のデータの下振れはノイズ(雑音)」と切り捨てるか。8月22日開催のジャクソンホール中銀フォーラムでの恒例のパウエル講演が注目される。過去に2回、ビッグサプライズを語り、市場が混乱した「前科」があるからね。
3400-3500ドルの壁は厚いと筆者は見ている。
為替は、FRBが利下げしても、ターミナル・レートは依然高水準になるとの筆者見解で、155円と見る。トランプ大減税恒久化による財政赤字膨張も、まずは金利高でドル高。しかし、中期的には「悪い金利上昇」と見做され、ドル売り要因に。2026年には、トランプ派のFRB次期議長誕生により、140円を上回る円高ドル安があるとは思う。NY投機筋は巨額の資金を投じてくるので、短期的ドル円相場のボラティリティー(変動性)は大きくなろう。
なお、札幌からリモート出演だったが、(夏季東京出張は懲りた)、ネクタイはスヌーピー柄を避けたよ(笑)


