イスラエルが遂にイラン核関連施設を攻撃した。絵に描いたような、有事の金買いで、国際金価格は、スポット3,420ドルまで急騰。原油価格も一時6%高。


但し、有事の金買いは、高値掴みのリスクがあるからご用心。まぁ、今回は、中央銀行の買いなど、強い買い材料が同時進行しているので、金価格の上昇トレンドは継続するであろう。


仮に、有事の金買いだけであれば、プロは吹き値売り。事前に「噂」で語られた段階で、金を買い、ニュースになった段階で、利益確定売りに走る。その場合、結局、有事の金に煽られて買った個人投資家が、梯子を外される結果になる。まぁ、なんというか、有事の金という言葉は、おじさんの心を鷲掴みにする傾向があるのだね。


そもそも一般論としても、金は、平時に地味に買い増し、有事に売って凌ぐのが本筋なのだ。スイスでの話だが、娘の誕生日ごとに、金貨一枚と誕生日の写真をアルバムに貼り、娘が25歳で結婚するとすれば、25枚の成長の記録と金貨で、分厚いアルバムになる。それを嫁ぐ前の晩に、母から娘にプレゼント。嫁ぎ先が傾くような「家庭内有事」があったら、金貨を売って、凌げという、母の愛情溢れる言葉を添えて。


筆者は、その話に、思わず、ホロッときたね。そのアルバムに貼ったものが株や国債であったら、そんなに感動は無いだろう。金貨ゆえ、愛情が伝わる、つまり、センチメンタル・バリューがあるのだよ。なお、有事のプラチナとか有事の銀とかは、無い。

 

追記

その後のイラン、イスラエルの動きを見るに、中東全面戦争に発展するリスクが否定できなくなった。仮に、そうなった場合は、金価格3,500ドルを軽く突破するであろう。