
本欄では、この二日間、「懸念」という表現を使ってきたが、昨晩は、ついに、3,300ドルを割り込む場局面もあり、雲行きが益々怪しくなってきた。
そもそも、さすがに超高値で実需は世界的に引っ込むなかで、ペーパー・ゴールドの売買だけが突出するという市場構造は危うい。
2025年もまだ4月だが、ひょっとして、3,500ドルが今年の最高値だった、という結果になるやもしれぬ。まぁ、さすがに断言するには、まだ早すぎるが。
相場の形も、瞬間タッチ3,500ドルを頭として、三角形になっている。
ひとえに、トランプ側の譲歩姿勢、軌道修正が日々、明らかになりつつあることが、金の売り要因となっている。
今後、米中決裂ともならなければ、3,500ドルが相場のアタマとなりかねないと見る所以だ。
では、ダウンサイド(下値)は、どうだろうか。
年末まで見据えれば、ずばり2,500ドル。
逃げ足の速いマネーが狭い出口に殺到すれば、売り一色になるリスクを孕む。
とはいえ、2,500ドルでも歴史的高値圏だが、3,500ドルへの過程で買いを見送った実需筋から見れば、買い時と見られよう。
3,000ドル以下は、実需で支えられると見る。
まとめると、順調に米中関税交渉が、進めば、2,500ドル。
やはり、中国が強硬姿勢を崩さなければ、再び3,500ドル。
4,000ドルなどという予測も見かけるが、ウクライナで核兵器が使われるような事態にでもなれば、無いとはいえない。
筆者は無いと思う。
このような市場環境では、やはり、地味に積立感覚で長期的視点で買い増してゆくことが鉄板だね。これを続けることに意義がある、と断定できる。
なお、円高については、筆者の見解は、今年は円高130円台。10年後は200円。変わりはない。