この24時間グラフ。
実に綺麗な上げだ。
青色、赤色、緑色。24時間ごとに、着実に相場水準を切り上げている。

2,600ドル値固めに一定の目途がついたところで、中東(シリア)情勢悪化と中国人民銀行金購入再開という分かりやすい二つの材料が飛び出した。
前回の2,700ドル台は、単に市場のモメンタム(勢い)に乗った急騰であったが、今回は、市場の腰の強さが確認されたうえでの急騰だ。
同じ急騰でも、全く異なる。

そのなかで、昨晩はCPIが発表された。ほぼ予測範囲内であり、サプライズはなかった。住居費に下落傾向が見られるなど、好感できる内容もあり、来週のFOMCに向けて、0.25%利下げ説が、ほぼ織り込まれた。
これは金には追い風。

但し、2025年となると、トランプ関税による米国内物価上昇という難敵が待ち構えている。トランプ政策の尻ぬぐいを、パウエルFRBが、しなければならない。関税→CPI上昇というシナリオに要注意だ。
そうなると、2025年の米利下げは1-2回程度まで鈍化が見込まれる。最悪、「利上げ」に逆戻りも絵空事ではない。なお、専門的にいえば、中立金利が上昇しているので、利下げ幅も限定されることも重要だ。いっぽう、金市場は既に3-4回の利下げを織り込んでいるので、ここは失望売りが出ても不思議はない。
筆者が2025年3,000ドルに届かずと見る所以だ。
とはいえ、2,700ドルでも2,800ドルでも2,900ドルでも、歴史的に見れば、とんでもない超高値圏だ。

25年も引き続き強気相場は続く。