与党惨敗で、今後は、案件ごとに、少数政党との暫時連結・妥協が図られることになろう。子育てなどの問題は、議論が立てやすいが、問題は国防だ。極東有事に対応するに、いちいち、永田町が連立を求めて動くのでは、遅きに失するは不可避。おそらく、中国・ロシア・北朝鮮は、日本の政局混迷を、「チャンス」と見ているだろう。彼らの高笑いが目に浮かぶ。
今後は、日本人として、わが身は自分で守らねばならない。
そのような流れのなかで、安全資産としての金保有が、更に浮上することも十分考えられる。
たまたま、円建て金価格が為替要因で高値更新しているが、今後は、為替やNY金に関係なく、日本人がみずからの判断で、金を「守りの資産」として保有する傾向が強まろう。
なお、総選挙後の海外勢の日本株と円を見る目を以下に書き記した。
【タイトル】
海外勢は、ジャパン・パッシング、上値模索も
これからの日本の政局は誰も(日本人でさえ)読めない。日本株にも円にも、当面は、手を出すな。
静観せよ。
これが、多くの海外勢の初期反応だが、例外は、短期投機筋だ。
政情が混迷の度を深めれば、彼らにとっては、「草刈り場」となる。
まずは、「噂で売ってニュースで買え」。
事前予測で与党苦戦の報道は流れており、その時点で、「日本売り」に走った投機筋も少なくない。CTA(コモディティー・トレーディング・アドバイザー)などが、最たる例だ。この人たちは超短期運用ゆえ、とりあえず、日本株売り、円売りのポジションを買い戻す。
対して、グローバル・マクロ系とされる中期運用の機関投資家は、まずは、現状をじっくり吟味したうえで、一部では「日本外し」の姿勢が顕在化しそうだ。
対して、長期運用の海外年金基金などは、日本が基本的に多民族国家ではないので、劇的な変化は起こりにくいとの判断で、徐々に、「日本買い」に動く兆しも考えらえる。これは、日本のNISA投資家が参考にすべき事例であろう。
総じて、円は160円も視野に入るが、状況が落ち着けば、冷静に140円台を志向するとのオーソドックスな見解が注目される。
日本株は、8月の令和ブラックマンデーの影響で、今や「仕手株並み」のレッテルを貼られており、当面、ボラティリティー(価格変動)が激しい状況が続くであろう。
海外勢の期待感も限定的で、年末に現状維持の価格水準を維持できれば、上出来ということになりそう。