石破政権誕生で、昨日、日経平均が暴落後、今日は反発している話について。

実は、日本の政治には疎い海外投機筋が、割安感から買いを入れ、今日も、買い増している話。

海外勢、そろり日本株買い再開(昨日)
日本の自民党総裁交代劇に対する欧米市場関係者の反応は冷めている。
所詮、与党は自民党の構図は変わらずと冷ややかに見ているからだ。
むしろ、オーストリアの選挙のほうが、関心が高い。連立与党が過半数を失い、ナチス擁護発言で物議を醸した極右の親ロシア政党である自由党が第一党を占める見通しとなったからだ。

日本の自民党総裁選挙関連では、もっぱら、高市氏の「利上げアホ」発言がstupidと訳され、NY市場でも話題になった程度だ。
そもそも日銀利上げの可能性にしても、8月5日の日経平均過去最大急落劇を見せつけられた日銀に、市場を揺らす如き利上げが出来るはずもない、と割り切っている。海外勢には、日銀に対する遠慮も忖度もない。

それゆえ、海外勢でも特に短期投機筋は、ここは日本株市場に再参入するタイミングと臨戦態勢だ。
この程度の政変では「下げ過ぎ」と見て、売り優勢の喧騒のなかで、押し目買いを加速させる姿勢が透ける。
いっぽう、同じ海外勢でも、中長期運用の投資主体は、粛々と買いを続ける投資戦略に変わりはない。

奇しくも「10月相場は荒れる」と言われるが、海外投機筋の動きが、とりあえず相場の底を形成する流れが予想される。但し、その後のボラティリティーも一段と高まろう。
2024年は、これまで護送船団方式で守られてきた日本株市場が、外海の荒波に初めて本格的に晒される年なのだ。

海外勢、日本株買い再開の実態(今日)
海外勢は、まずは、上々の滑り出しと、彼らは、ほくそえんでいる。
「新内閣の政策も定まらない段階で、株価が急落したら、とりあえず安値を拾う」。これが、彼らの定石だ。
仮に、
続落すれば、買い増す。
反騰すれば、買いを加速させる。

「高市トレードの巻き戻しのおかげで、株式銘柄のバーゲン会場の如き様相となった」と語る。
総じて、新政権の政策には興味を示さない。政治的不透明感が強まる時期こそ、短期投機筋にとっては、草刈り場になるからだ。
「難しいのは、利益確定の時期だ」と語る。「なにか政治的異変があれば、深夜でも構わないから、叩き起こしてくれ」と頼まれた。新規買いの賞味期限も、1週間から、せいぜい1か月と割り切っている。

これが、いわゆる「短期海外勢による日本株買い」の実態だ。じっくり政策を吟味して動く中長期運用のファンドとは一線を画す。
大手のファンドと並び、独立系のファンドの数が多く、売買も多様化していることが、NY市場の特徴と言えよう。


結局、説明できない相場は傍観する傾向が強い日本市場で、売買の7割前後を外国勢が占める結果になるのだ。
解説者が多く、リスク・テイカーが少ない日本市場。
結局は、民族のDNAでリスク耐性が決まるようだ。