NY金(中心限月12月)が2,700ドルを瞬間タッチで上回った後、2,670ドル台まで反落中だ。
大台突破で利益確定売りが出るのは、想定内のことだが、中期的な相場の流れが、更に上を目指すか、或いは、2,700ドルで目標達成感により、一転、下落傾向に転じるか。
筆者は、2,700ドル前後で、しばらく揉みあった後で、2,800ドルを目指す展開を予想する。
2025年には3,000ドルも現実味がある。
米金融政策の利下げ継続と、巨額の米財政赤字問題も、もちろん重要な問題だが、中国経済危機が制御不能の状況になりつつあることが、地政学的リスクの悪化を招くことが、危惧されるからだ。
チャイナリスクは、中国経済が弱体化したときに、最も危険なレベルになるものだ。
16歳から24歳の若年失業率が18%を超え、深センの街中には、不穏な空気が流れる。
地方政府の巨額債務も、もはや、「大きすぎて、手がつけられない」。
軍事面では、中国と同盟国と、お互いに、「瀬戸際作戦」で、台湾海峡や沖縄周辺を、示威航海している。
そこにロシアと北朝鮮がからむ。
その時期に、日米ともリーダー交代劇。
中国政府は、日本人児童殺害を「どこの国でも起きる偶発的事故」と切り捨てたが、地政学的リスクも、偶発的な接触から、一気に悪化するリスクを孕む。
世界的に、このような危うい状況のなかで、投資マネーが、「中央銀行が勝手に刷れない」金(ゴールド)に向かうのは必然であろう。
中央銀行が外貨準備として金を買い増すのも、「経済安全保障」を考えてのことだ。


ウォール街でも、毎日のように、ゴールドが話題になり、カリスマ投資家たちが、金買いを推奨している。
金を大量に買っている人の中で、超富豪たちの、纏め買いが目立つのも、今回の特徴だ。
その富裕層を顧客とする米国大手銀行から、わざわざ筆者にNYまで来て金の話をしてくれとの要請。
コモディティアナリストといっても、これまでは、80%以上が原油の専門家で、まともに金の話が出来ないのだ。
「そういえば、東京のジェフは、まだ現役で働いているから、声をかけてみよう」と言う話になったそうだ。
彼らと筆者の付き合いは1970年代から続いている。
筆者のような存在は、今や「絶滅危惧種」のようなものだね、とジョークで返してやった(笑)
諸々、守秘義務があり、詳しくは話せないが、NYで金専門家育成にも関与することになりそうだ。