あれよ、あれよの展開となった。
まずNY金(中心限月12月)が2,694ドルまで急騰する場面があった。
そしてスポット(現物ロコロンドン)も2,660ドル台である。
理由は、まず、中国人民銀行が実質的な利下げと資金供給増に踏み切ったこと。
これは、金を含むコモディティ全般に上げ材料になる。
冷静に見れば、この程度の金融緩和で、中国不動産危機や地方政府の財政危機が解消されるとは思えず、中国経済悪化に歯止めがかからない。
しかし、マーケットは都合よく解釈して、買い材料に仕立てあげた。
金に関しては、個人の金製品購入増が期待される。
次に、米国の景況感指数が事前予測を下回り悪化したこと。
これは、救済的利下げ幅が0.5%になる可能性を示唆する。
金には追い風だ。
そして、これは、中期的材料だが、格付け機関ムーディズが、米国債格下げを警告したこと。
大統領選でどちらの候補が勝っても、巨額の米財政赤字は減らないとの予測だ。
過去にも、米国債格下げが金価格急騰を誘発した事例もあり、2025年にかけて、要注意の材料となろう。
以下は、2011年に米国債格下げで金急騰の事例だ。
金の国内小売価格、31年ぶり高値 米国債格下げで:日本経済新聞(2011年8月8日付)
かくして、中東情勢悪化、中国の景気刺激策導入、米国債格下げの可能性と、筆者も予測しなかったスピードで次から次へ、旬の買いテーマが浮上してきた。
2,700ドルは予測通りだが、9月の時点で、こうなるとは、驚きである。
さて、次の予測をどうしたものか(笑)
少々考える時間をいただきたい~。