今日の原稿は、昨日の原稿と、合わせ読んでいただきたい。
添付のKITCOグラフ(緑線)は、昨晩、FOMC声明文発表で、スポット金価格が2,600ドル近傍まで急騰後、2,540ドルまで急反落したことを示している。(KITCOグラフの金価格は、NY先物価格ではない)。
まず、0.5%という「ジャンボ利下げ幅」は、金利を生まない金には追い風になった。
とはいえ、昨日も書いたように、0.5%利下げを織り込んだうえでの値動きゆえ、目標達成感で、一旦、利益確定売りも噴出したのだ。
更に、利下げの理由も、これまでの利上げで締めすぎ、失業増など、経済成長鈍化、最悪、不況になる可能性もあるので、予防的な利下げで、景況感悪化を回避するというものだ。
経済減速がちらつくと、「不況に強い金」の出番となる。
そのうえで、金市場は次の材料を求める。
それは、11月、12月FOMCの利下げ幅が、0.25%か0.5%か、ということだ。どちらになるか。
それは、今後の雇用統計次第ということになろう。
雇用統計が悪化すれば、やはり利下げによる景況感下支えが必要となり、0.5%となろう。
逆に、雇用統計が改善すれば、利下げによる経済下支えの重要性は薄れ、0.25%程度に利下げ幅を抑えることになろう。
総じて、金の長期上昇トレンドをFRB金融政策が主導している構図である。
それから、円相場だが、143円台まで円安に振れる展開になっている。
これは、投機的に円を買っていた人たちが、一斉に、手仕舞いに動いたため。
0.5%大幅利下げはドル安・円高要因だが、「材料出尽くし感」が強まり、とりあえず、円買いポジションは整理する動きが目立った。
やはり長期的な円安の流れは根強い。