南海トラフ地震のニュースはNY市場でも報道され、日本株を保有している投資家に限らず、日本への投資は回避すべきか、との議論が早くも持ち上がっている。
国内でも、NISA組からは、「やはり、オルカンですかね」というような質問が寄せられている。
仮に、南海トラフ注意地域で、再びマグニチュード7クラスの地震が起きれば、一気に、投資への影響も現実味を帯びよう。
まず、最も可能性が高いシナリオは「円回避=円安」だ。
日本人による「海外への資産移転」の動きが加速するであろう。
東北大震災のときは、日本企業が海外に投資していた資金の本国への引き揚げ(リパトリ)が起こったが、今回は、円安全通貨神話が崩壊しているので、円資産を海外で運用する傾向が強まろう。
海外企業で日本に生産拠点を置くことのリスクも議論の対象となろう。
日本企業の生産拠点分散化も加速しそうだ。
NISA組も、外貨建て資産の運用配分を増やす傾向が強まろう。
今後20~30年を見据えての資産運用ゆえ、同期間に巨大地震の可能性が高まることへの対応は不可避である。
外為市場においては、投機筋が、殊更に地震リスクを強調して、円売りポジションを増やす動きが懸念される。
株式市場では、おりから日本株リセットの動きが顕在化しており、更に、拍車がかかることが心配だ。
特に、影響が、20年、30年にわたる長期運用の年金基金の日本株離れに及ぶと、歴史的価格変動が「中小新興国並み」と酷評されていることもあり、事態は深刻になる。
そして金投資においては、金の現物を日本国内に保管することのリスクが懸念され、ロンドンやNYに金を保管して、その保管証のように発行される金ETFが選好されそうだ。
純金積立も、一部を国外での保管などの対応を迫られる可能性がある。
まずは、なんといっても人命最優先だが、投資の世界では、地震リスクヘッジについて、今後、議論が深まってゆくことになろう。


なお、昨日はNY金が30ドルほど急騰したが、金ETF残高が増加傾向にある。
買い手は長期保有の超富裕層。
株価不安定による金への資産分散が効いている。
もちろん、中東情勢悪化、利下げ近しという、これまでの要因もライブだ。


本日の写真は、利尻産ウニをのせたビーフと野菜の取り合わせ。
北海道テレビが入る創世スクエアにあるダフネというフレンチレストランはセンスが良くお気に入り。
服装を見ても分かるとおりカジュアルなお店。

 

フレンチレストランにいる豊島氏