NY市場には、してやったり、と高笑いの一団がいる。
VIX(恐怖指数)に連動するETFなどの投資商品が開発されており、平時にVIXが低いときに仕込んでおき、今回のVIX急騰時に、売り手仕舞いに動いたのだ。
なにせ、長期間、ソフトランディング説が市場に流れ、VIXは、10台で低迷していた。
そもそもVIXが話題にもならなかった。
それが、8月5日午後8時くらいに、いきなり27に急騰。
10分後には「経済危機レベル」とされる60をあっさり突破。
ところが、その後、38まで急落。
長くVIXをフォローしてきたが、日中にこのような変動幅は、初めての体験である。
かくしてVIX乱高下の背景には、VIXを投資対象にする人たちがいるので、変動幅が拡大して、マーケット全体のセンチメントを悪化させるのだ。
経験則によれば、今回の規模の市場波乱が起きると、30日以内に、余震ともいうべき第二波が直撃するとされる。
これを、彼らは、ボラティリティのイニシャルを使い「ボルマゲドン」と呼ぶ。
更に、余震が落ち着くには40~50日程度を要すると試算している。
振り返れば、大手銀行が倒産したわけでもなく、雇用統計不調といっても、これほどの市場のヒステリックな反応は全くの想定外であった。
その要因として、マクロの視点では、AIを駆使した高速度取引が市場を席捲していることが挙げられる。
売りが売りを呼ぶ展開になりがちな売買システムだ。
NYの現場からは「もはや、トレーダーとは名ばかり。コンピュータのシステムエンジニアみたい」との嘆きも聞こえてくる。
「人間様」は解説役というわけだ。
それにしても、日経平均の動きが前日比で1,000円以下なら、ヤレヤレ、という市場の反応を見るに、市場関係者の感覚も麻痺してきた。
筆者は「日本株が外海の荒波にさらされる場面が常態化するのは必定だ」と書いてきた。
株価が下がれば、午後2時過ぎには、日銀がETF買いで、下値を支えてくれる、という「護送船団方式」の時代は終わった。
海外での日本株の評判もがた落ちだ。
せっかく、ここまで苦労を重ね、構造改革を推進して、その成果があがりつつある矢先のことであった。
今や日本株の狼狽ぶりは、中小新興国並み、との烙印を押されつつある。
兜町の売買の7割は外人プレーヤーと言われて久しい。
これまでの所謂「外人買い」の正体が、実は、超短期ヘッジファンド主体であることも露見した。
日本株構造改革道半ばにして、脆弱性が露わになり、振り出しに戻る成り行きが視野に入る。
ここは、日本国内での金融監督関連官庁の「会合」により解決できる話ではない。
地味だが、粛々と日本株の評価を高める努力を続けるよりほかに有力な方法はあるまい。
さて、昨日のワールドビジネスサテライト。
実は放送時間には筆者は寝てしまったが、チーム・ジェフのスタッフが、写真を送ってくれたので添付する。
内容は、このブログ読者なら当たり前の話。
ただ、テレビ局、それも経済番組が多いテレビ東京のスタッフでさえ「そうだったんだ」と新鮮な話だったらしい。
まだまだ金に関する知識のレベルは一般的には低いね。
それから、私の親友が「スタジオ出演のときは局のメークさんがアラ隠ししてくれるけど、リモート出演だと、顔のアラが丸見えだから、なんとかせい」とのアドバイス。
たしかに、もはや、スッピンで勝負は出来ないな(笑)
男用メイクセットを大丸札幌店で買うか~。