組織で働くトレーダーは、自分のカネで金を買っているわけではない。
社内でカネを借りて、金を買っているのだ。
NY市場のトレーダーなら、ドルで金を買うとすると、年率3~4%の社内金利を払って、社内で資金調達するわけだ。
それが、円で借りれば、ほぼゼロ金利。
そこで、まず円を借りて、即、外為市場で売り払い(円売り)、ドルに換えて、金を買うという手法が人気化した。
超低金利の円ならではの活用法だ。
しかるのち、首尾よく、金が上がれば、利益確定売りして、同時に、借りた円を返済する。
結果的に、外為市場でドルのレートも上がったので、為替差益も出た。
ドル高なのにNY金高という、教科書とは反対のことが現実になった。
しかし、都合よいことは、続かない。
日銀が利上げに踏み切り、更に、追加利上げを示唆したことで、円で借りて、金を買うメリットがなくなった。
それどころか、円高が想定外に進行すると、為替差損が生じる事態となった。
これではたまらんと、ヘッジファンドは、円キャリーを巻き戻し、円を買い戻し、買っていた金も売却に動いた。
これが、円キャリーで金を買って失敗した事例だ。
なお、円キャリーで、米国のテック株を買った事例も多い。
さて、予告通り、本日のテレビ東京WBS(ワールドビジネスサテライト)にリモート出演して、金について語る。
ラテ面(ラジオやテレビの番組表)によれば「株・為替に注目の中、金が高騰」という特集名になっている。
さて、今日の写真は、大通りのテレビ塔。
そして、よつ葉乳業のミルクたっぷりソフトにご満悦。