ウォール街では既にトランプ当確を前提に議論が深化しつつある。
そこで、円安と為替介入に話題を振ってみると、意見は分かれる。
標準的シナリオとしては、25年に失効するトランプ大型減税を維持。
財政赤字が膨らみ、ドル金利には上昇圧力がかかる。
財政政策要因のインフレ再燃となると、FRBは利下げどころか、利上げ再開に追い込まれる可能性もある。
外為市場ではドル高基調となろう。
そうなると、米国製品の国際競争力を強めるドル安政策を標ぼうしてきたトランプ氏は、日本金融当局のドル売り(円買い)介入を歓迎するかもしれない。
更に関税大幅引き上げに踏み切れば、やはりインフレ要因となり、ドル高に拍車をかける結果となろう。
中期的な視点では、財政規律の緩みが、米国債再格下げを誘発して、国際基軸通貨としての米ドルの信認が薄れるシナリオも考えられる。
しかし、国際決済システムに米ドルが組み込まれ、米国債市場も断トツの流動性を持ち、米国債は外貨準備には欠かせない。
中露には気に入らない現実だが、米国大統領に誰がなろうとも、国際通貨制度に於ける米ドルの優位性は変わるまい。
日本側がドル売り円買い介入を続けても、局地的な問題として「お構いなし」となりそうだ。
とはいえ、介入で米ドルの優位性を変えることも出来まい。
その役割は、あくまで「血止め」であり、痛みを伴なう構造改革を避けて通ることは叶わぬ。
日本の金融当局と国際通貨投機筋のせめぎあいも、固定相場制度から変動相場制度に移行した時点で、短期的リスクとして覚悟してきたことである。


このドル問題は、NY金にも直接的影響を与えるので、今後も論じてゆきたい。