今週火曜日水曜日に米議会上院・下院で開催される、恒例のパウエル議長公聴会での議会証言が、今週の注目材料の一つとして注目されている。
昨日が一日目。
例によって、パウエル氏が被告席みたいなところに座り、囲むように、議員が10名以上、入れ替わり、持ち時間5分で質問を浴びせる。
そもそも議員の多くは、経済に疎いので、選挙区向け演説になる傾向がある。
それでも、なかには適宜を得た質問も飛び出すので、米経済チャンネルなどは、ぶち抜け3時間近く生中継する。


昨日の印象は、特に目新しい発言がなかったが、利下げが後手に回り、高金利水準が維持されることで米経済が減速するリスクのほうが、利下げを急ぎ、インフレが再燃するリスクより懸念される、というニュアンスが色濃く出ていた。
その結果、市場の見通しは9月にも最初の利下げ。
その後、12月までに、もう一回。
計、年内2回の利下げに傾きつつある。
これは、金利を生まない金には追い風となる。
とはいえ、今年年初には、年7回の利下げを、市場は見込んでいたので、7回から2回まで減ったことになる。
今後の雇用統計やインフレ指標発表で、まだまだ、利下げ見通しはクルクル変わるので、筆者は、まともに見ていない。


大事なことは、年内か、来年か、いずれ、しかるべきときに利下げが決定されることは、ほぼ間違いない、ということだ。
パウエル議長も「次の一手は利上げではない」と断言している。
従って、経済指標発表ごとに一喜一憂するのではなく、中期的な流れを掴むことが重要だ。
筆者も、以前は、雇用統計だ、CPIだと、そのたびに発表時間(日本時間夜9時半)には、相場モニター画面にかじりついたものだが(YouTubeライブ配信までやった)、今は、あほらしくなって、止めた。


NY金は2,370ドル台。歴史的高値圏を維持している。
短期的乱高下を繰り返しつつ、レンジの下値を切り上げているプロセスだ。
こういう上昇ペースが続けば楽なのだが、ときおり、ポジション調整、益出しで、ドンと売られ、一晩で100ドル近く暴落することもあるので、油断は出来ない。