昨晩、大引けにかけ、ついに2,300ドルを突破した。
今回は珍しく(笑)理由が明解である。
まず、イスラエルがシリア国内のイラン大使館を空爆したこと。
それも治外法権の大使館が標的だ。
そもそもイスラエルとパレスチナの戦いも、背後には常にイランの存在があった。
イスラエルとイランの直接対決に発展すると中東戦争にエスカレートする可能性がある。
昨日は、NY市場も、地政学的リスクの拡大エスカレートと受け止めていた。
更に、昨日は、米国株価が急落した。
その結果、オーソドックスに株から金へのマネーシフトが見られた。
ちなみに仮想通貨にもマネーが流入した。
さて、問題は、これから、どうなるか。
24年4月の時点で既に2,300ドルということは、まだ、次の高みを目指すことになろう。
2,400ドルというと、大胆な数字だが、連戦連勝のファンド筋から見れば、充分に可能な数字だ。
とはいえ、さすがに、ここで、利益確定売りの調整局面に入ることも考えられる。
筆者は、調整が入ったほうが、次の2,400ドルの土台が堅固になると見ている。
一直線で2,300から2,400では、さすがに怖い。
調整の理由としては、本欄で繰り返し述べてきた、米利下げ後退論が挙げられよう。
これはこれで、かなり強い下げ要因であり、これもこなして金相場は上昇中ということなのだ。
今後の新たな金価格上昇要因としては、膨張する米国財政赤字という財政政策要因。
特に米大統領選挙の年ゆえ、大盤振る舞いになりがちだ。
市場はその後始末を危惧する。
金融政策担当のパウエルFRB議長から、米国債の司令塔であるイエレン財務長官の発言が注目される。
具体的には米国債格下げが顕在化しよう。