先週8日金曜日に発表された2月雇用統計は、27万5,000人。
これだけ見ると良かったように見えるが、過去2か月分が16万7,000人下方修正された。
やはり、1月の雇用統計上振れは特殊要因のノイズ。
一過性であったのだ。
前回本欄で、雇用統計が悪ければ2,200ドルと書いたが、NY金(アクティブマンスの4月もの)は2,202ドルまで急騰を演じた。
筆者のNY金先物市場の仲間たちは、ホクホクである。
彼らは、市場のプロの間では、モメンタムプレーヤーという単語で表現される。
理屈などお構いなしに、市場の勢いに乗って、貪欲に、値動きの良いセクターに集中「投機」攻撃をかける。
だから「謎の金高」現象が起きた。日経平均急騰も、モメンタムプレーヤー主導であった。
更に、明日12日には、米消費者物価指数CPI発表が控える。
この第二部が終わったところで、3月FOMCまでは、調整期間に入る可能性が強い。
3月FOMCの注目点は、ドットチャート。これで、また、大きく動くだろう。
歴史的高値圏で、モメンタムプレーヤーが暴れ、ボラティリティは、ビットコインもビックリの激しさになろう。
それにしても、24年3月の時点で2,200ドルとはね。
なお、実需は世界的に買いが枯渇している。閑古鳥が鳴いている。
さすがに、このスピードで2,200ドルの展開では、模様眺めに徹している。
既に、かなり現物を買ってきたしね。
中央銀行の買いも、金の重量ベースでは減りつつある。
外貨準備はドル建てで表示されるから、同じドル金額で買える金の重要は減るわけだ。
現物の売戻は増えそう。先物の売りポジションも膨らんできたことだし。
それゆえ、前回にも書いたが、1回は大きな調整が来るよ。
そこが買い時と見る投資家も世界的に多いけどね。
なお、長期的トレンドは2,300ドルを目指すことも変わりはない。
金ETF長期保有派には、ここが、重要なところ。
一喜一憂する必要がない。どっしり構えてみる余裕がある。
ただし、ドル円の変動が140円台後半で激しくなり、円高がドル建て金価格の上昇を相殺する局面は増えよう。
都合の良い話ばかりではないよ。
ブログを書いているうちに、日経平均が800円暴落した。明らかに、株から金へ乗り換えたね。
NY市場では、金が旬の話題。
経済テレビでも異例の15分にわたって侃々諤々の激論を交わしていた。