ロンドン現物、国内円建てに次いで、NY金先物価格も6日に2,160ドルまで急騰局面があり、めでたく、全ての金価格指標が史上最高値更新の運びとなった次第。
6日のNY市場では、ADP雇用統計とJOLTS(求人件数)が、いずれも、若干だが事前想定に比し下振れ。
注目のパウエル議長議会証言は、想定内の内容なれど、金市場は上げたがっているから、「政策金利はピークを過ぎ、年内しかるべきときに、調整する(=利下げのこと)」との発言を重視した。
まぁ、無理やり史上最高値を演出したわけで、その後ろめたさからか笑、NY金先物4月もの(アクティブマンス)は2,140ドル台まで反落して引けたけどね。
まぁ、史上最高値祭りは、これで、一区切り。
これからが重要だよ。歴史的高値圏を維持できるのか。
まずは、明日の雇用統計、来週の米国消費者物価指数CPIと試練が待ち受ける。
この統計は、いずれも1月に上振れしたので、2月に上振れが続くか、下振れて、結果的に調整するか。
それにしても、政策金利が5.25~5.5%のレンジで、インフレ率がPCEベースで2%台半ばまで鎮静化しているので、結果的に実質ドル金利はプラス圏で高い水準にある。
これは、金価格には強い逆風になるはず。
じわり効くのか、あるいは、モメンタム(勢い)が勝り、上昇を続けるのか。
24年もまだ3月入りしたばかり。先は長いね。
ちなみに、6日はスーパーチューズデーの結果が出て、トランプ圧勝。
金市場は新たな地政学的リスクに身構える。さらに、NYの地銀信用不安に関して救済の動きもあり、改めて、米地銀と商業用不動産リスクにスポットライトが当たった。
そして、ビットコインと金が同時に新高値更新という珍現象も。
ライバル関係にあるはずだが、FRB=中央銀行が発行した通貨ではない、という共通項があり、中央銀行不信を映す同時高となった次第。
過剰流動性が市場のあちこちを回遊しているイメージもあるね。
外為市場では、150円台から149円台の円高に振れたが、円建て金価格は底堅い。
149円で「円高」という感覚も無理がある。
今後の動きは、基調は上げだが、大きな調整も1回はあろう。ないほうが怖いよ。
ここしばらくは、歴史的高値圏で、ボラティリティ(価格変動)が激しくなるは必至。
個人投資家は一喜一憂せず、じっくり構える心理的余裕があろう。