NY市場では、「謎の金高」と噂されている。
ドル名目金利は4%以上で、インフレは収束に向かい、その結果、実質ドル金利は高止まり、外為市場ではドルインデックスが103とドル高気味だ。
にもかかわらず、ドル建て金価格は、史上最高値に迫る急騰を演じている。
筆者も、このタイミングで、こうなるとは、全く予想していなかった。
今週は、これからパウエルFRB議長の議会証言と2月雇用統計発表という重要イベントを控え、マーケットは「様子見に徹する」はずであった。
金の世界に入って40年を超すが、あるのだよね、金市場には、ときどき、このような説明がつかない価格展開が。
まぁ、あえて言えば、ライバルのビットコインが先んじて先週以来、60,000を突破して急騰していたから金も頑張っちゃったのか。
更に、今週は、中国で全人代が開催されており、恒例の首相記者会見が突然「廃止」されたことで、中国経済の不況感が益々昂じているところだ。
中国が世界にデフレを輸出するシナリオが懸念される。
加えて、深読みすれば、米最高裁が、トランプ前大統領の予備選参入を認めて、いよいよ、「もしトラ」から「ほぼトラ」になったことかな。
とにもかくにも、円は150円台ゆえ、円建て金価格も続騰。
日経平均と国内金価格が同時に最高値をつけるとは、誰が想定したであろうか。
日経平均4万円といっても、東京エレクトロンとかアドバンテストなど少数のAI半導体関連銘柄に買いが集中。
多くの銘柄は下がっている。この危うい構図の日本株高に対するヘッジとして金も買い増すことは、ポートフォリオ運用で正当化できる投資行動といえよう。
国際金価格については、今年もまだ3月ゆえ、まだ高値余地はある。
ただし、ボラティリティ(価格変動)は激しくなるから、「有事の金のどか買いは悪魔の選択」だよ。