注目の1月米国消費者物価指数(CPI)が昨晩発表された。
結果は、インフレ再燃を想起させる「物価反騰」となった。
内容は、前年同期比の年率換算で事前予測2.9%のところ3.1%。
更にFRBが重視するコアCPI(変動が激しい原油と食料品を除いた数字)は事前予測3.7%に比し3.9%。
僅か0.2%の差と思うかもしれないが、これまで順調にインフレ率が下がってきたので、サプライズ感が強い。
何が上がったとかといえば、家賃など住宅関連の上昇が目立つ。


その結果、FRBが、「最悪のケースで利上げに転換」とか「利下げが大幅に後ずれ」観測がNY市場に流れた。
ドル金利も昨年12月以来の水準に上昇した。
こうなると、金には強い逆風が吹く。
スポットで26ドル急落して1,992ドルをつけた。
但し、ドル金利上昇でドル高円安も進行。
ドル円は150.70円まで円安が進行している。
したがって、円建て金価格の下げはかなり相殺されている。


今後の見通しだが、年内の利下げは確実で、利下げ時期と回数が問題になっているので、慌てることはない。
3か月ほど利下げ開始時期が後連れして5月か6月観測が主流となっている。
それまでは、米国の政策金利が5.25~5.5%の高い水準に留め置かれるので、金の上値が重くなるかもしれない。
但し、中央銀行の金大量購入や地政学的リスクは変わらないので、金相場が崩れることはない。
金の長期上昇トレンドは変わらない。


なお米国で「債券王」と呼ばれるカリスマ投資家のガンドラック氏が、昨日、マイアミのコンファレンスで講演。
日本株と金にそれぞれ10%づつ投資せよと語った、
金と日本株が2024年の世界的トレンドになったね。