FRBが最も重視するPCEインフレ率が、過去6か月(23年7月~12月)ベースで年率2%を割り込み1.9%を記録しても、パウエル議長は利下げへの確信を持てなかった。
FOMC後の記者会見で、明確に、現時点では利下げする確信が持てず、利下げを急がないことを明示した。
しかし、現時点での名目政策金利は5.25~5.5%の高水準ゆえ、インフレ率が順調に下がれば下がるほど、実質政策金利は上昇する。
そもそもFRBは名目で利下げしても、景気抑制的(restrictive)な水準に留めると明言してきた。
米GDPが年率3%を超える水準で推移していることが、FRBの利下げバイアスを抑えている。
ここで、市場が恐れるのは、利下げ開始を例えば6月まで引き延ばし、その間に、労働市場が悪化することだ。
FRBが後手にまわり、年後半の利下げペースが加速することが危惧される。
0.75%刻みの利上げが4回続いたことを思えば、利下げペースも同様に大幅になることも絵空事とはいえまい。
これは金価格には追い風となる。


なお、31日のNY市場で、FOMC声明文発表前に、異変があった。
地銀のニューヨーク・コミュニティ・バンコープ(NYCB)の株価が突然3割以上急落して、ドル金利も下がったのだ。
地銀に関して危惧されていた商業用不動産破綻リスクが顕在化か、との憶測が流れた。
その時点で、3月利下げ確率が急上昇する一幕もあった。
QT(量的引き締め)が今後も継続すれば、昨年英国で生じた英国債波乱のような思わぬクレジット・クランチ(信用収縮)が米国でも生じるリスクがある。
これは金価格には上げ要因だ。
かくして、NY市場には利下げ先送り、QT継続のリスクを「予告編」で見せつけられた感が残る。
結局、国際金価格は2,040ドル台で取引を終えた。


今日の写真は、明石のタコ@誠鮨。

 

明石のタコ@誠鮨
明石のタコ@誠鮨と豊島氏

日経の「交遊抄」に2回目で出たときに紹介した店。
あのコラムに2回出るのは珍しい。
多分、担当が間違えたのでは、と思っている(笑)。
一回目は当時の大蔵省にいた義兄からゴルフクラブもらって、ゴルフ始めた話を書いた。
ちょうど、大蔵省がゴルフ接待スキャンダルにまみれていたとき。
国際畑で、全く国内の空気が読めていなかった筆者に家族が呆れていたのを覚えている(笑)。
人間発見シリーズにも出たときは、ワールド・ゴールド・カウンシルに在籍していたころで、毎年、福島のゴルフホームコースで「地獄のゴルフ特訓合宿」を主宰している話も書いた。
朝5時起床。まずランニング。
次に練習場の球拾い。
そして朝食。
練習ラウンドのあとは、各自反省研修。
バンカーでミスした人は、2時間バンカー練習。
皆、手に血豆作っていたっけ。
ルールとして仕事の話したら、即2ぺナ。
年齢・地位に関係なく、とにかくゴルフがうまい者が、一番偉い世界。
そんな地獄の特訓に、モノ好きなゴルフ狂が20人近く参加していた。
時は過ぎ、その面々も、ゴルフの世界で「三途の川」を渡っている。
飛ばず、寄らず、入らず。
もはやゴルフ出来れば幸せという、無我の悟りの世界だな。
合掌。
最近では、スキーしている写真を載せたいという企画があって、乗ったのだが、コロナで流れてしまって残念。