12月22日に発表されたPCE(消費支出)コア物価上昇率について説明しておきたい。
このインフレ率は、CPI(消費者物価上昇率)より幅広いカテゴリーをカバーするので、FRBが最も重視するインフレ率だ。
コアは、変動の激しい原油や食料品を除く数値である。
最近は、原油が下落しているので、原油価格を含まないノンコア(あるいはヘッドラインとも呼ばれる)のほうが高く出る傾向がある。
前置きはそれぐらいにして、そのコアの11月分が22日に発表された。
結果は年率で3.2%まで低下。過去6か月平均(6~11月と22年12月~23年5月)の比較でみると、年率で1.9%と2%のFRB目標を下回った。
いよいよ、インフレ減速はホンモノか、利下げも想定より早まるかも、との思惑で、金は大幅に買われた(その後、クリスマス休暇前のポジション調整で売られたが)。
但し、総じて、モノの価格は下がったものの、最も頑固とされるサービス業の賃金は依然上昇中だ。
それゆえ、FRBも素直には歓迎できない面もある。
しかも、紅海―スエズ運河ルートがイラン系フーシ派の襲撃の標的になっているので、大手船舶会社は、喜望峰経由に切り替えている。
その分、4~6週間は物流が遅延するので、新たなインフレ要因となりかねない。
この事例にみられるように、供給サイドのインフレは、いつ、どこで再燃するか分からないので、FRBとしても悩ましい。
利下げ開始直後に、大きな地政学リスクが勃発して、利下げ中止から利上げ再開に追い込まれるのが、FRBにとって最悪のシナリオだ。


更に、PCEインフレ率発表後に、ミシガン大学消費者信頼感指数や耐久財消費などの重要統計も発表され、こちらは事前予測を上回った。
そうなると、利上げにもかかわらず米国経済は底堅いという「軟着陸論」が勢いを得る。
その結果、利下げ幅も大きくなる、との予測のもと、24年は3,4、5月、3か月連続で利下げ、且つ、年6~7回の利下げ回数と、市場の先走り傾向は強まるばかり。
これは金にとって追い風だが、筆者は、そう都合よく行くかな?と懐疑的だ。
年3回程度の利下げがあれば、金は十分に上がる。
なお、これは株式市場の話だが、利下げであまり、はしゃぎすぎると、資産効果で個人消費が過熱して、利上げで冷やさざるを得なくなる。
だから、株式市場も、「利下げ祭り」のユーフォリア(陶酔感)は、ほどほどにしておいたほうがいいよ。
最後に、FRBにとって、これも悩ましいシナリオなのだが、利下げ開始してから、これまでの利上げの引き締め効果が顕在化するケース。
金融政策は効果が出るまで、1年半はかかるといわれるので、要注意だ。
まぁ、金にとっては、不況になれば、安全資産として買われやすいわけだが。


さてさて、クリスマスも終わり、本格的スキーシーズンと意気込んだが、シーズンロッカーを手配済みのガーラ湯沢スキー場は暖冬で雪不足。
正月も本格降雪の見込み立たず。
ゲレンデ全体の1/4程度しかオープンしていなくて、しかも、ところどころ地肌むき出しで危ないよ。
しょうがない、この冬は、ゴルフに切り替えか、と思うこの頃である~~。
冬に沖縄までゴルフに行く必要がない。
それにしても、年末年始、関東地方は13-14度とはねぇ…。
温暖化でこれがニューノーマル(新常態)になるのか。
スキーは北海道まで行かねばならぬか。
ちなみに、北海道では、かたや道民割で、地元のスキーヤーの負担を減らし、いっぽうで、ゲレンデ一部貸し切りで200万円とかのパッケージを主としてインバウンド向けに売り出し、既に売り切れ続発だとか。
いわゆるオーバーツーリズム問題のバランスを考えた末の成り行きだね。