24年米大統領選の共和党候補はトランプ氏が支持率64%で二位のデサンティス・フロリダ州知事12%を大きく引き離し、圧倒的リード。
「もしもトランプ」というより「もはやトランプ当確」の如し。
トランプ氏の公約を見ると、まさに、現在の米国政策のちゃぶ台返しだ。
まず、関税を全ての外国製品に10%課す。
関税報復合戦→新たなインフレ要因となろう。
ちなみに、現在、米国の平均関税は3%である。
移民に関しては、イスラム教徒の多い国からの入国禁止のため移民に「思想審査」を課す。
次に、中国依存からの脱却。中国との最恵国待遇を廃止する。
これは二国間で「お互い様」の貿易のルールをやめること。
更に、温暖化政策を大幅に削減。化石燃料への投資を増やし、石油や天然ガスの大幅増産。ガソリン価格を抑える、という選挙公約だ。
同時にEVの移行に向けた制度を撤廃する。
トランプ氏は「大統領に返り咲けば就任初日に、国境を閉鎖して、石油を採掘するための大統領令を出すと表明している。
地球温暖化対策の「パリ協定」からの脱退も含む。
そして、自らを起訴した司法当局への報復。
米政府機関の職員を解雇しやすくする案「スケジュールF」。
要は公務員に人事権を行使できる裁量を広げる。
特にFBIや検察に対する報復が透ける。
なお、ウクライナ侵攻を終結させロシアとの対立は解消方向。
日本は、場合によっては、同盟国との関係悪化の波の影響を受ける。
とまぁ、「もしトラ」リスクは広範囲にわたり、金市場は不透明感から「もしトラ」リスクに反応するであろう。