最近、中東の要所、紅海で、イラン系フーシ派による船舶襲撃事件が連発しているが、昨日は、米主導で日欧も含め、共同で対抗することが報じられ、金と原油が急騰する場面があった。
大手船舶会社によれば、スエズ運河経由のルートは当面使えず、喜望峰経由のルートに変更するとのこと。
スエズ運河は世界の海運の12%を占める。
ケープタウン経由になると、4~6週間の遅延が常態化するという。
新たな、供給サイドのインフレとなる可能性もある。
特に欧州が直接、影響を受けやすいが、玉突き効果で、アジア・米国への太平洋便にも波及の恐れがあるとのこと。
金市場にとっては、新たな地政学的リスクなので、上げ要因となった。
なお、FRB高官発言も、相変わらず相次いでいる。
昨日は、デイリー・サンフランシスコ地区連銀総裁がウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで、金融政策の軸足を価格から雇用に移す必要を論じた。
これは、インフレ退治に目途がついたから、今後は失業対策など雇用にも配慮する必要があるということだ。
同氏のこれまでの発言とは全く異なり、金融政策の緩和への転換を印象づけた。
なお、金と同時にビットコインも息を吹き返し、FRB利下げ祭りの波に乗っている。
NY市場では、金より仮想通貨の上昇が注目されることもあるほどだ。
スキャンダルで市場追放されたかと思ったが、仮想通貨のETFがどうやら当局の認定を受けそうだとの情報で、再び注目されているのだ。
今後も、デジタルゴールドといわれるビットコインと金は、なにかと比較されそうだ。
おさらいになるが、仮想通貨はネット環境があれば支払いできるので通貨の交換性に於いては金より使い勝手が良い。
しかし、価値の保存性という面では、断然、金に軍配があがる。
仮想通貨に使われるブロックチェーンというテクノロジーは確かなものゆえ、生き残ったといえよう。