先週の雇用統計以降、ドル建て金価格が、じり安気味だ。
理由は、11月15日までに多くのヘッジファンドの決算期を迎えるので、買いポジションが売り手仕舞われているからだ。
中東リスクに乗って、あわよくば、金で一儲けを狙って金を買っていたファンドが、決算期対策のウィンドー・ドレッシング(決算を良く見せようとすること)に走っている。
なぜ、11月15日かというと、SEC(米国証券取引委員会)に情報開示しているファンドが、四半期ごとに、13Fと呼ばれるフォーム(書式)で、四半期末時点での保有銘柄を公表しなければならないからだ。
3月末は5月15日、6月末は8月15日、9月末は11月15日、12月末は翌年2月15日に、それぞれ情報開示が義務付けられている。
金の場合は、ETFで保有すると有価証券となるので、報告せねばならない。
現物を自社で保管する分には、SECの管轄外なので、公表義務はない。(先物だと、監督官庁はSECではなく、CFTC(米国商品先物取引委員会)となる。)
四半期末から45日経た日に開示されるので、45日ルールとも呼ばれる。
なかでも、11月15日は年末に近いので、顧客である投資家たちに、運用状況を説明するファンドが多い。
いずれにせよ、長期的な見切り売りではない。
ひとまず売り手仕舞い、来年に再び買い直すこともある。
現物で1,940ドル台という価格水準も、2,000ドルを意識すると、「壁」に見えるが、歴史的高値圏である。
いつも言うことだが、一喜一憂することはない。