まず、国際金価格。水準がスポットで1,980ドル前後、NY先物で1,998ドルと2,000ドル寸前まで上がってきた。
理由は、これまでと変わらず。振り返れば、1,800ドル攻防から、ここまで上がってきたのは、ひとえに、中東リスクプレミアム。
そこに、来週は、FOMCが加わる。

 

kitco

それから、昨晩は円相場が150円を再突破した。今日は、その話を詳述する。

10月30~31日に、日銀金融政策決定会合、10月31日~11月1日にFOMCが開催される。
FOMCでは、利上げは見送られるとみられるが、政策金利は「長く、高く」維持されることが、パウエル議長の発言により確認されることが予想されている。
対して、日銀のほうは、政策金利を「低く、長く」維持せざるを得ない。
「経済」を3回連呼する首相のもとで、日経平均を下げる政策は憚られよう。
日本の長期金利がジワリ上がっても、NY市場では「YCCをtweak(いじる)」程度と見られている。
その結果、日米金利差は、大きく変わる余地がない。
為替市場介入も、世界のドル高の流れに逆らい、ドル買い・円売りに歯止めをかけるには、これまでにないエネルギーが必要となる。
しかも、NY市場の投機筋は、その為替介入を歓迎する姿勢が透ける。
為替介入で円が140円台まで下がれば、そこから「円売り第二波」を仕掛ける格好の機会になるからだ。
この点は、本欄9月27日付「150円接近、介入を歓迎する海外勢」で詳述した。
ここまでの円安の流れに乗りそこなった人たちが、ここぞとばかり、待ち構えており、円安は「いまだ七回表」と書いた。
10月30日からの「中銀ウィーク」が、Xデーとなりそうだ。