21日のNY金市場は、新規失業保険申請件数が20万件と、大きく下げたことが材料となった。解雇の件数が減ったことを意味するので、本来なら良いことだが、インフレと戦うFRBの立場では、未だ、利上げの引き締め効果が不十分という解釈になる。追加利上げの余地あり、ということで、金利のつかない金には逆風となった。更に、NY外為市場では、148円台をつけていた円相場が147円台の円高方向に動いた。
ドル建て金価格が下がり、円安も一服ということで、円建て金価格は反落した次第。
本欄で述べてきたことだが、NY金価格は上がり、同時に円安になるという、都合の良い話ばかり続くはずもない。
とはいえ、1,900ドルを割り込めば、かなりの買いで支えられ、円安の流れは、まだ止まらないので、円建て金価格には、中期的には引き続き上げ圧力がかかりやすい地合いだ。
なお、昨日の中級者向け原稿「24年、FRBは名目で利下げ、実質で利上げ」が、今朝のテレビ東京「モーニングプラスFT」で引用された。この番組は、株式がメインなので、筆者のコメントも株についての見解になっている。
それから、テレビ東京の地上波のほうで、「60秒で学べるニュース」とやらの番組にも出た。こちらのテーマは、「1グラム1万円の金を買っているのは誰?」。コンビニのおにぎり高級化など4つのテーマのひとつ。金がなぜ上がっているかと60秒で語れ、と言われても、それは無理筋。とりあえず中国の中央銀行がドルを売って金を買っている話をした。それだけで60秒超。写真のように、私が話している間に、画面で30秒、40秒と黄色の枠が流れてゆく。あとは、スタジオで、テレビ東京解説委員長が、諸々説明していた。
せめて5分間の時間枠がもらえれば、かなり分かりやすく説明できるのだけどね~地上波で5分は、よほど大きなテーマでなければ、ダメだね。