中国不動産大手恒大集団が米国で破産申請したとされ、連鎖破綻を誘発する懸念があり、リーマン級と騒がれている。
しかし、リーマンショックとは異なる。
リーマンショックは米国の低所得者層向け住宅ローンを束ねて、高金利の投資商品に仕立て上げ、米国大手金融機関が世界中にバラまいた。
その住宅ローンに支払い不能が続出して、結果的に、世界中の投資家が大損して、金融危機が一気に世界に波及した。
対して、恒大問題に発する中国不動産危機は、あくまで中国国内の問題だ。
一部、ドル建て債務が直接的に海外の債権者が直接的にリスクを抱える。
中国において不動産の影響は極めて強い。
まず、GDPの25%が不動産だ。
次に、個人資産の70%が不動産だ。
そして、銀行が預かる担保の40%が不動産だ。
ゆえに、不動産価格急落が、中国経済減速、個人消費減退、銀行の不良資産急増に及ぶ。
ちなみに、中国は地方政府も巨額の借金を抱える。
その隠れ債務は1,100兆円とされる。
中国は土地の個人所有が認められず、地方政府が土地を融資平台と呼ばれる投資会社に貸して、リース料を徴収することで、大型投資案件の資金を賄ってきた。
融資平台は、テーマパークなどのディベロッパーに融資してきたが、末端で破綻が相次ぐと、結局、地方政府が巨額の借金を背負うことになる構図だ。
かくして、恒大問題から連鎖する中国不動産危機と、融資平台の債務不履行が同時進行することで、IMFも中国の債務問題を由々しき事態と見ている。
但し、この問題を放置すれば、現政権を揺らすことになるので、習近平も慎重に隠れ救済をせねばなるまい。
結局、実質終身国家主席は次の代に債務問題を先送りすることになろう。
それゆえ、今回の中国不動産危機は、年内とか来年にリーマン級にはならない。
しかし、大地震予測と同じく、今後10年から15年の間に勃発する可能性が極めて強いが、その時期を特定することは出来ない。
借金は消えないのだ。
個人投資家が煽られ大騒ぎする必要はない。
しかし、備えを講じておくことは重要だ。
将来、中国経済が大きく揺れることで、日本経済が大津波に襲われることは覚悟せねばなるまい。
さて、今日の写真は、レモンパイとアップルパイを食べながら、原稿を書いていたら、いつのまにか、空は綺麗な夕焼けになっていた。
遠景にニシン御殿がある小樽の半島が見えた。
酷暑の東京に居ると、頭の中がロシア産ウニ状態(笑)になるが、札幌に居ると、頭がキレキレだよ。
労働効率が全く異なる。
ただ、今週は、日本海側の札幌も33度予報。
しかし、新千歳空港より太平洋側の、例えば、苫小牧は27度。
ちなみに、千歳市は半導体のラピダス進出バブルに沸いている。
投資額が総額5兆円で北海道の年間予算を上回る。
既に千歳市では土地の価格が4倍になったとか、宿泊施設が足りず宿泊料も4倍に跳ね上がるとか、バブルの様相だ。
半導体は価格も含め、変化の激しい業界ゆえ、ホスト側も振り回されている感じ。
結局、肝心のテクノロジーは台湾や韓国が握り、日本は下請けの立場だと感じる。