史上最速の利上げ強行は、インフレ抑制するかわりに、景気を冷やす。
更に、米銀の相次ぐ破綻により、市中に出回るカネが減り、これも、設備投資や個人消費を冷やす。
NY市場では、米国経済の景気後退は不可避と見られている。
問題は、その不況が、軽度で済むのか、重度となるか。
米国エコノミストの間でも、意見は割れる。
米経済成長率が、最新のデータでは年率2%ゆえ、打たれ強いので、なんとか軟着陸(インフレは終息して、景気も落ち着く)できる、という楽観論。
インフレもなく景気も維持されるように金融財政政策を運営するのは、至難の業、否、不可能と断じるのが悲観論。
前者なら金は下げ。後者なら金は上げ。
米国経済を測る尺度として、筆者は、具体的事例に注目する。
例えば、最近、米国ディズニーランドで待ち時間が減った、ということが昨日はニュースになっていた。
コロナ前には、平均25分から50分だったのが、今年は、25分以下になっている。
直近でも7月4日の独立記念日を軸にした連休期間の入場者数が、稼ぎどころなのに、今年のワースト3に入るほど閑散としていたという。
リベンジ消費が一巡して、米国人の消費性向が萎えているようだ。個人消費は、米GDPの7割近くを占めるので、その影響は大きい。
次に、クレジットカードの支払い遅延件数が増えている。
コロナ給付金を貯めて手元資金は増えていたが、そろそろ底をついてきたようだ。
そして、中古車価格が下落。
コロナ時には、急騰していた。
それで新車購入が増えているかといえば、こちらも好調とはいえない。
以前、本欄で、最近のニューヨーカーの習性として、午後5時からの夕食が増えていることを書いた。
在宅でなくてもよいのに、在宅を選好するという傾向は、コロナが米国人の消費性向を変えたのか。
まだ、現時点で、米国の消費が弱いとは言えないが、気になる兆候は出始めている。
要経過観察である。
さて、先週のことだが、私が夏季札幌サテライトオフィスに移住する前に、ご近所づきあいのマガーリのマダムとシェフの「たかさん」が、我が家で暑気払いのディナーを作ってくれた。
一流シェフが自宅に来てくれるとは、なんという贅沢。
アクアパッツア、たかさん流のポーク巻き、カラマーリ(イカ)とイカの形に似たパスタ、空豆のパスタ、コーンのシャーベットをあえた前菜などなど、どれも絶品!
友人も含めて6人でワイワイやって楽しかった。