注目の6月雇用統計は、新期就労者が20万9,000人増で、事前予想の22万5,000人を下回った。
これまでの一年で5%超の利上げが効いて、新期雇用が減り、インフレも終息するとの解釈で、市場は、ドル安・金高に振れた。
金スポットは1,910ドル台から1,930ドル台まで上昇。円相場は142円台まで円高。
しかし、筆者は、この市場反応は間違っていると思う。

 

kitco

まず、月間で20万人という数字は、新期雇用としては、まだ多い。
10万人、あるいは、最終的には月間雇用増が月間雇用減(マイナスの数字)になるくらいでないと、しつこいインフレの息の根を止めることは敵わぬと見る。
バイデン大統領自身も昨年6月にウォール・ストリート・ジャーナル紙に「私のインフレ退治案」と題する論文を寄稿した際に、月間雇用の増減は、プラス10万人程度が望ましい、と明記していた。
更に、失業率が前月の3.7%から3.6%に減った。
FRBは最終的に失業率は4%台半ばまで悪化させないと、インフレは抑制できないと明示している。
それゆえ、3%台で0.1%とはいえ、減ってしまったことは、労働市場が引き続き過熱している状況といえる。
そして、賃金の指標である平均時給が前年同期比で4.4%と市場予想を上回り、高止まりしている。
結局、FRBが、あと2回から3回は追加利上げするとの見通しは変わるまい。
但し、雇用統計に続き、今週は、米消費者物価上昇率(CPI)が発表になる。
この数字次第で、また、動きがあろう。


さて、週末はゴルフで全米女子オープンが開催され、日本からも22人もの女子プロが参加した。
畑岡が惜しくも優勝にはならなかったが、話題は賞金額の大きさ。
優勝が2億8,400万円相当!
4位タイに終わった畑岡も6,800万円。
6位タイの古江が5,200万円。
13位に入った木下彩でも2,300万円。
日本なら高額賞金大会の優勝金額に相当する。
木下自身の生涯獲得賞金が2,200万円ほどだそうで、一試合でこれを超えたわけだ。
「老後のためにおカネが欲しい」との理由で、この大会参加のための予備戦で必死に戦ったという。
若い女性が「老後」を考える時代になったと、改めて感じた。
木下選手も、獲得賞金の10%くらいは、老後のために金で持つことをお勧めするよ(笑)