国際金価格は、2,000ドルを挟む展開が続いている。

 

kitco

経済指標やFRB高官発言でストンと下がる局面もあるが、そこは直ぐに買われる。
筆者の感覚では、これほどの歴史的高値圏が維持できていること自体、驚きだ。
底値は拾われるので、底堅い。中国の官(中国人民銀行)と民(個人投資家)の両方の買いが目立つ。
今の相場を下支えしている要因の一つといえる。
NY市場では、投機筋の買いが目立つ。
この連中は、1週間単位くらいで売買を繰り返すので、彼らが価格形成の主導権を握ると、急騰後急落のシナリオになる。


最近「金を今から買っても間に合うのか」と聞かれるが、手っ取り早く儲けたいという魂胆であれば、もう遅い。
対して、老後や資産相続を考えての金購入であれば、今から、積立感覚で始めても決して遅くはない。
日本を取り巻く地政学的環境や日本経済の今後を考えれば、リスクだらけだ。
10年単位の人生設計の一部としての資産形成であれば、金もポートフォリオに含めるべきだ。
現在は歴史的高値圏ゆえ、まずは資産の10%を目標に始めると良い。
既に始めている人は、粛々と継続すればよい。
あまり難しく考えず、リスクヘッジとして保険感覚で保有すべきだ。
金価格が長期的に右肩上がりと言い切れる理由は、供給サイドにある。
世界でめぼしい金鉱脈は殆ど開発済。
しかも、生産コストが世界的インフレで急上昇している。
こうなると、世界の金鉱山は、良い鉱脈を持つ他社とのM&Aを通じて、経営の効率化を図るようになる。
パイの食い合いともいえる。
例えば、足元の事例では、世界第三位の金鉱山会社ニューモント(米)と第七位のニュークレスト(豪)が合併交渉中だ。
実現すれば円換算で2兆円を超す過去最大の金鉱山会社M&Aとなる。
結局、新規鉱脈開発案件は限定的なので、金生産量は今がピーク。
今後は、ジワリ減少に転じるであろう。
二次的供給源のリサイクルが貴重な供給ソースになることも事実だ。


さて、今日の写真は薔薇。
ご近所の二階建てを覆う巨大な薔薇。

 

薔薇1

そして我が家の白い「なにわいばら」。

 

薔薇2

マーケットという無味乾燥な存在を相手に仕事し続けていると、こういう自然の美しさが何よりの癒やしになるね。