昨日本欄で、2,000ドル目前に値固め中と書いたら、夜のNY市場で、あっさり1,980ドルから2,020ドルまで30分で急騰した。
キッカケは、JOLTSと呼ばれる求人件数。

 

kitco

これまで毎月1,000万件の大台を超え、失業者一人に求人件数2件近くという労働市場過熱状態(売り手市場)が話題になっていた。
インフレ率が下げ渋る要因と見られていたのだ。
しかるに、昨晩発表分は993万人まで急減した。
しかも2か月連続の減少。


いよいよ、インフレ懸念も後退して、利上げも終わりか、という観測が台頭してきたのだ。
今週月曜に発表された、ISM製造業景況感指数は5か月連続で50の大台を割り込んでいる。
先週金曜日に発表されたPCEインフレ率(FRBが最も重視するインフレ率)は年率4.6%(コア)まで落ち着いてきた。
この流れが、潮目の変化を想起させて、金利を生まない金には追い風となったわけだ。
年後半には不況あるいはスタグフレーションとなり、FRBは利上げどころか利下げへの転換を強いられるとの観測も根強い。
その結果、昨日のドル金利は下落。
外為市場ではドル安。
銀行危機も一服とはいえ、まだまだ安心はできない。


昨日は、米国最大の金融機関、JPモルガン銀行CEOダイモン氏が、警告を発した。
クレディ・スイスの「最後の株式総会」も、大荒れで、現CEOが「本当にこんなことになり申し訳ない」と、日本流に言えば、土下座せんばかりに謝罪したが、大損した株主たちの怒りは収まらず。
訴訟に発展する可能性もある。
クレディ・スイスをUBSが買収の件は、まだ紆余曲折があるかもしれない。
このようは背景で、NY金はスポットでも先物でも2,000ドルを突破したわけだ。
NY金の史上最高値は2020年8月の2,089ドルなので、標的圏内といえる。
但し、先物価格はスポット価格よりも高いので、混同しないように。
国内円建て現物小売金価格も、円高にも関わらず、最高値更新。
こちらは、もう驚かなくなってきた。
グラム1万円も絵空事とは言えまい。


今後のシナリオは短期的乱高下を繰り返しつつ、徐々に価格水準が切り上がる展開を予測する。
年内2,100ドル。
さすがに、2,000ドルを超えると、現物売り戻しも加速して、現物需給は緩む。
但し、今年は、中国ロシアなどの公的金準備増強が顕在化しており、中長期的には、金価格が下がりにくい構図になっている。
万が一、このまま、ドル建て金価格が史上最高値更新まで突っ走ると、逆に反動売りのほうが懸念されるね。
わがままな話だが、秩序ある価格上昇が望ましい。
現場で、そんな悠長なことは言ってられないが。


こんなときは、富士山見ながらゴルフしたいよ。
気分転換にね。
スコアは毎回、無かったことにしているけど(笑)
鶯の鳴き自慢に耳を傾けるも良し。
今週末は行けるかな~~。
ここのところ、寝不足気味が続き、大谷クンを見るのが気分転換になっているよ。
今シーズンは、他の日本人プレーヤーの活躍も期待できそうで楽しみ。

 

豊島氏1
豊島氏2