24日金曜日、ドイツ銀行のCDS 料率が急騰するなかで株価が急落したときには、大西洋を挟んだNY市場にも戦慄に近い雰囲気が支配した。
NY金は瞬間的に2,000ドルを突破。
ドイツ銀行について、ドイツ金融当局は、我々が知らない何かを把握しているのか。
これまでインベストメント・バンキング部門の迷走でデリバティブ運用で躓いたという前歴があるので、疑心暗鬼は募った。
実質的にドイツの国策銀行の如き歴史を辿ってきたので、24日には、ショルツ・ドイツ首相が間髪入れず、火消し発言を出した。
世界的金融不安に乗じて暴れている投機的ファンド勢も、金曜日でもあり、ドイツ銀行株売りポジションを早々と手仕舞った。
NY金も、ドイツ銀行株反落とともに、金曜日の手仕舞い売りで1,970ドル台まで急落。
しかし、二大銀行が金融市場を支配したスイスと異なり、突出したドイツ銀行を、コメルツ銀行が買収することなど無理筋だ。
最終的には国有化しか方策はない。
破綻の連鎖は起きずとも、金融不安は、スイスからドイツに伝染した。
経済大国のドイツ人に常に上から目線で見られていると感じているスイス人銀行マンの反応も複雑だ。
そもそも、強い訛りのあるスイスのドイツ語ではなく、正統派の「ハイジャーマン」を話す、スイス銀行勤務のドイツ人行員は窓際族にされがちである。
ドイツ銀行が揺れれば、人の不幸は密の味の如くニュアンスが、スイス銀行出身の筆者の後輩たちからも伝わってくる。
対して、ドイツ側は、クレディ・スイス発行AT1債の全損処理を、金融秩序を無視した暴挙と激しく罵る。
スイスにとっては、クレディ・スイス問題は国益がかかる大問題ゆえ、無謀といわれようが、お構いなしだ。
本来、リーマンショックの教訓としての銀行規制強化が産んだAT1債が、金融システミックショックのリスクを孕む商品と化してしまった。
いっぽう、NY市場では、AT1債の影響は相対的に軽微だが、FRBと財務省に対する不信感が強まっている。
三大ネットワークのCBSによる調査では、FRBを信頼するとの回答が僅か15%となった。
25日には同局の日曜討論番組「フェイス・ザ・ネイション」には、ミネアポリス連銀カシュカリ総裁が生出演。
地区連銀総裁クラスが日曜の看板番組に呼ばれることは異例だ。
「現在の米資本市場は概ね閉鎖状態にある」と語り、銀行規制強化が貸し渋りを誘発してリセッションの引き金になる可能性を憂慮した。
更に、NY市場では、イエレン財務長官が、珍しく悪者扱いされている。
先週、銀行預金保護について、「全て保護されるわけではない」「全額保護」「追加的な施策もあり」など、発言がぶれたからだ。
議会公聴会で、多くの議員の質問に答える過程で、言葉に詰まる場面もあり、その影響で、株価も大きく振れた。
先週を振り返ると、FOMCよりイエレン発言のインパクトのほうが、市場では強く感じられた、との見解が少なくない。
パウエルFRB議長にしても、物価の安定と市場の安定を同時に達成できる魔法の杖など無いわけで、0.25%利上げに関する市場のモヤモヤ感は晴れない。
FRB金融政策への支持率が15%に留まる限り、銀行システムへの不信感は払拭できず、取り付け騒動の根は絶てない。
更に、庶民感情を煽るがごとく、民主党急進左派のエリザベス・ウォーレン上院議員は、サンフランシスコ連銀デイリー総裁を、管轄下のSVB経営状態を見抜けなかったとして激しく非難している。
対して、預金全額保護は、ポピュリスト的政策との見解も根強い。
SVB銀行破綻から僅か2週間。市場の不透明感は増すばかりである。
金の歴史的高値圏は続く。
短期的投機筋による短期的に乱高下はある。
ここは、中期的市場の底流との見極めが重要。
なお、ドル金利は、FRB利下げ転換を視野に低下。
その結果、ドル安、円高。
しかし、円安の基調は変わらず。
さて、我が家の遅咲き桜の下で(雨だったから屋内で)、花見の宴。
もっぱら、花より団子!
北海道は苫小牧の石垣水産に勤務する親戚に依頼して、北寄貝、ほたて貝、イカなど、朝採り超新鮮な素材を宅急便で送ってもらった。
参加したマガーリのシェフも「これは、凄く良い素材」と、お墨付き。
北海道まで行かずとも、東京で、味わえるね。
その他、料理の達人の配偶者の家庭料理と、シェフがキッチンで作ってくれたピザなどなど。
元祖、道明寺など、スイーツも盛り沢山。
ワイワイ、ガヤガヤで楽しかった。