東京市場の株価は、大きく下げると日銀が株ETF買い出動で下値を支えてきた。
NYのヘッジファンドの試算では、日銀買いなかりせば、日経平均は少なくとも4,000円は下がっているという。
外為市場でも、昨年、円安進行の過程で日銀の円買い介入が円相場を支えた。
日銀介入なかりせば、160円近くまで円安が進行した可能性がある。
そして、日本国債の市場では、日銀が市場で国債を買い、円金利の上昇を一定の水準に抑制している。
世界の趨勢はインフレ対策で利上げ。
日銀だけが周回遅れであった。
市場金利には上昇圧力がかかっているが、米国と異なり、経済が脆弱である日本で、本当に利上げしてよいものか。
日銀も市場も当惑している。
投機的に日本国債を売る外国人投機家集団と、かたっぱしから日本国債を買い受ける日銀の壮絶なせめぎ合いだ。
円も急騰。
円安150円のときの如く、円高120円になったら日銀が今度は円売り介入するのか。
かくして、株、外為、債券の各市場で日銀頼み。
これが実態なのだ。中国市場を笑えない。
このような日本の市場を現場で見てきた日銀マンが、定年でOBになるや、虎の子の退職金で、金を買いたがる、という事例は、これまでも本欄で書いてきたが、ここにきて、加速している。
彼らは、現場で日本経済のヤバさを体感してきた。
それゆえ、自分の資産を円で持ちたがらない。
日銀マンといえば、円という通貨の番人だ。
しかし、定年になれば、一個人投資家になる。
2023年、世界的に金が注目して買われているのも、株、外為、債券に不安を感じる投資家が、独自の希少価値を持つ金にポートフォリオの一部をシフトさせているからだ。


さて、週末、我が家では、ときならぬ「越前カニ」ブーム。
福井県から直送の大きな越前カニ。
昭栄丸というタグのついた新鮮なカニを堪能した。
最後のカニ雑炊に、カニ味噌をたっぷり載せた一品で締めた。

 

カニ1
カニ2