欧米市場がクリスマス期間は、御用繁多でブログ更新間隔が空いたが、今週からNY金も、2023年視野に動き始める。


今日は、初心者向け、よくある質問に答える編。


1.円安円高で円建て金価格が乱高下するケースは今後も続くのでしょうか?


2022年は歴史的な円安進行で、NY金の変動は限定的だったのに、円建て金価格は史上最高値を更新しました。
しかし、2023年は、市場環境が異なるでしょう。
円安局面は多いと思いますが、2022年にように0.75%刻みの利上げが連発されることはありません。
円安としても、そのスピードは減速します。利上げの効果点検のために、0.25%程度で様子を見る局面もありそうです。
円高局面もあるでしょう。
いっぽう、NY金は、「利上げ不況」で安全資産としての買いが増えそうです。
但し、安全資産としての金買いは、ブーム的現象ではなく、ジワリ進行します。
従って、円建て金価格は、緩やかな上昇が見込まれます。
更に、ドル政策金利は5%程度の水準で高止まりする状況が想定できるので、金利を生まない金には、売り圧力がかかる時期もあるでしょう。
こういう相場環境で最も有効な手段は、金をまとめ買いせず、地味に買い増してゆくことです。
基本的に右肩上がりの相場が見込めるが、調整局面も厳しいというときにこそ、ドルコスト平均法が最も効率的な購入手段になるのです。
2023年のマクロ経済的な環境は、欧州がスタグフレーション、米国は利上げ不況、中国はロックダウンに歯止めかからず、これまでの天文学的は累積債務がジワリ効いてきます。
このような厳しい経済環境のなかで、金価格のボラティリティ(価格変動性)も高まることは覚悟すべきです。
シートベルトを低くきつめに締めて、相場に臨みましょう。


2.インフレヘッジとして金が買われると言いますが、NY金が下がったのはなぜ?


2022年は、インフレが米国経済を直撃したのに、NY金は年後半1,600ドル台まで下落しました。
金はインフレヘッジと言われるのに、なぜ下がってしまったのか。
当然の疑問だと思います。
下がった理由はずばり、FRBの連続大幅利上げ。
2022年3月にはゼロ金利だったのに、10か月ほどで、4%台にまでドル政策金利が上昇しました。
しかし、2023年には利上げペースは鈍化します。
更に、利上げをしたが、結局、マグマの如く噴出するインフレのエネルギーを抑え込めなかったというケースも考えておくべきでしょう。
欧州同様に、スタグフレーションのリスクがあります。
米国人にとって、インフレヘッジとして物価連動国債も人気がありますが、殆ど発売後、瞬間蒸発で、宝くじなみの当選率です。
そこで、伝統的インフレヘッジである金が2023年は見直されそうです。
一時「インフレヘッジ」をセールストークにした仮想通貨が暴落したことで、マネーが金へ先祖返りする事例も増えるでしょう。
量的引き締めの時代に入り、これまで過剰流動性で覆い隠されていたリスクが次々に露わになりそうです。
既に、英国年金危機、クレディ・スイスの財務不安など具体的な事例も出始めました。
インフレと共振して、このような新たなリスクが加わると、NY金が再び2,000ドル突破するシナリオが現実を帯びます。
2023年はインフレと債務不履行リスクに投資家が備える年となるでしょう。


3.有事の備えの金という考え方は古いのですか?


筆者はかねてから、有事の金はもはや古い。
金の業者のセールストークに使われるから要注意と警鐘を鳴らしてきました。
しかし、今や、考えが変わりました。
ロシア侵攻、台湾有事、北朝鮮ミサイル連続発射。
アジアの中の日本の立ち位置が極めて不安定になってきました。
陸続きの国境を持たない日本に、初めて、本当の「有事警戒意識」が醸成されています。
札幌にゆけば、ロシアの北海道に備えて金を買いたいという話が散見されるようになっています。
沖縄や鹿児島では台湾有事の流れ弾警戒が一部では懸念されています。
北陸や山陰に行けば、北朝鮮ミサイル着弾リスクが絵空事ではなくなっています。
いずれも、数年前であれば、「まさか」のシナリオでした。
世界的にも、核戦争の危機感が1960年代のキューバ危機以来、初めて意識され始めました。
絶対に起こってはならないことですが、備えだけはしておくべき、と考える日本人が増えたことを、セミナーで実感しているところです。
筆者が語らずとも、参加者たちが真剣に問いただしてくるのです。
そもそも有事の金とは、旧ソ連と米国の冷戦時代に、いつなんどき核戦争が起きるか分からないという緊張感のなかで、何があっても価値が残る実物資産として金が買われたことから生じた言い回しです。筆者は「煽る」如く言動は努めて自制して、有事の金に騙されるなとまで語ってきたわけですが。
事ここに及び、ストレートに有事の金の必要性を説いています。


さて、筆者のクリスマスは自宅で、自家製アップルパイ!

 

アップルパイ

筆者は「アップルパイ評論家」を自認しているが((笑)
決めてはリンゴ。
絶対に「紅玉=こうぎょく」が良い。
痛みやすいので最近市中に出回らなくなった。
これを探し求めて、料理の達人(笑)の妻が時間かけて作った。
はんなりマイホームクリスマスだったよ。
さて、今日から、筆者も、ぼちぼち23年相場に向けて始動!
日本は休みに入る今週だが、クリスマス明け欧米勢いはやる気ムンムンだよ。
こういうメリハリつけることは、相場を見るに重要。