ゴールドセミナーの後には、質疑応答セッションがある。
そこで感じることは、質問をするほうが難しい、ということだ。
最も多いパターンは、質問というより、自説を延々と語り出すタイプ。
MCが割って止めようとしても話し続ける。
会場はしらける。


次に多いのは、その人だけ異常な興味を示す話題に執着するタイプ。
独りで深堀りして質問を続けるのだが、他の参加者には興味ない話題ゆえ、これも、会場がしらける。
あまりに漠とした質問も多い。
例えば「パウエル議長の金融政策をどう思うか」。
この手のオープンエンドの質問に答えていたら、それこそ日が暮れてしまう。
答える側の筆者が「これは良い質問だ」と思うことは稀である。
初歩的な質問ならば、解答はネットでいくらでも拾える。
何もセミナーで説明するまでもない。


個人的な質問も多い。
自分の資産運用の相談なら、FPにフィーを払って聞くべきことだ。
逆に、かなり上級の難解な質問には、ついつい、筆者も丁寧に答えてしまうのだが、大多数の参加者の目が泳いでいるのが分かる。
いっぽう、リモート形式だと、参加者はおそらく自室でジャージ姿で参加しているので、言いたい放題を書き込む。
品を欠く質問がひとつでもあれば、板が汚れる。
つくづく思うことだが、大多数の参加者は、黙って聴講しているので、静かだ。
サイレントマジョリティーとでも言おうか。
総じて、インター・アクティブというスローガンが流行っているが、実態は、まだまだ、まともなインターアクティブにならない。
そんなわけで、対面式のセミナーの場合は、予め質問があれば、紙に書いてもらって、回収するようにしている。


そういえば、YouTube豊島逸夫チャンネルの更新間隔が空いているが、これには理由がある。
要は、NY市場があまりに視界不良なので、まともにポジションをとれず、殆ど、超短期売買中心の地合いだからだ。
要は今のマーケットは論じるに足りず。
メディアの人たちは気の毒だね、こういうときでも、紙面を埋めねばならないし、放送時間中はなにか番組を流さねばならない。
その点、独立系だと、なにか語らねばならないという縛りはない。
とはいえ、今晩のパウエル講演から雇用統計、CPI、そして12月FOMCと続くので、そろそろ、腰を入れて気張ってゆくぜ(笑)