数億人規模のロックダウンに、遂に中国民衆が反旗を翻した。
習近平強権体制を揺らがす事態だ。
習近平は、民衆の圧力に屈して、譲歩することはあり得ない。
特に、言論弾圧、反共産党にまで火の手が拡大すると、強烈な手段で抑え込むであろう。
ロックダウンが散発的に留まれば、地方政府の責任者の行き過ぎた行為として片付けるかもしれない。
しかし、これから厳冬を迎える時期に、散発的では収まるまい。
この重大事は、地政学的リスクではあるが、今のマーケットにとっては、インフレ関連の影響のほうが気になる。
ロックダウンが更に拡大すれば、中国経済を疲弊させるので、インフレ抑制要因になる。
パウエルFRB議長の立場なら、本音は歓迎かもしれない。
とはいえ、サプライサイドにインフレに関しては、iPhone工場の操業停滞のごとく、モノの流れの目詰まり要因となりかえねない。
それゆえ、インフレヘッジとしての金価格にも影響は必至だ。
更に、中国金需要の減少要因ともなる。要経過観察だ。
なお、今週から12月FOMCまで雇用統計、CPIなど重要経済指標のオンパレードとなる。
結論からいえば、筆者は、2022年の金相場はこのまま現水準で終わると見ている。
なにがあろうとも、インフレ上昇、インフレ低下にしても、1回や2回の変動で、パウエル金融政策は変わらないからだ。
しかも、年末。
新たなポジションを年内に作る動きは限定される。
既存のポジションの巻き戻し(カバー)が主体となろう。
そんなわけで、筆者は、やや距離を置いて、推移を見守っている。
一喜一憂はしない。
アドレナリンは出てこない(笑)
総じて、金価格は来年の上昇を視野に、1,700ドル台の値固めか。