昨日、11月1~2日に開催され0.75%利上げを決定したFOMCの議事録が発表された。
結論からいうと、参加者ほぼ全員が、そろそろ利上げ幅を0.75%から、例えば0.5%に減速すべきとの意見であった。
まずは、これまでの0.75% 4回連続接種の効果を点検するための利上げ減速だ。
金市場は、12月FOMCで、利上げ幅が0.25%でも縮小されれば歓迎。
1,750ドル台まで反騰した。
しかし、これからが実質的本番。
まず、2023年に入っても、例えば0.25%とか0.5%の利上げを継続するのか。
更に、最終的に政策金利が5%を超える状況になりそうだが、その高い金利水準を何か月続けるのか。
対インフレワクチン接種効果にはタイムラグがあり、半年から1年近く、5%程度の水準を継続する必要がある。
インフレは、緩めると、ぶり返す可能性があるので、徹底的に根絶やしする必要があるのだ。
従って、利上げ減速は、まだまだ、序の口。
利上げの過程の極めて重要な局面は、これからなのだ。
いっぽう市場は感謝祭モードで取引は薄い。
現価格水準は、あまりまともに考えないほうがいい。
特に、0.75%利上げを4回連続接種しても、米国景気は悪化していない、つまり、インフレ・ワクチンが効いていない兆しも見られるのだ。
特筆すべきは10~12月期の米国経済成長率が市場の想定より上振れしていること。
アトランタ連銀が平日毎日更新する発表する「GDPナウ」は、11月FOMC初日の1日には年率2.6%であったが、23日には4.3%まで上昇した。
その間に発表された10月米国小売売上高は前月比1.3%増加している。
コロナ禍で蓄えられた米国個人マネーは1兆ドルを大きく上回ると推定されており、消費は堅調だ。
筆者の注目はクレジットカード使用率である。
たまたまVISAのCEOが交代ということで後任紹介のため経済テレビに出演したとき、高級スーパーより中級スーパーのほうが使用率が高いと語っていた。
日常品は値が上がる前に買いだめの傾向が強いが、特別な買い物には慎重な姿勢が見られるようだ。
そもそもGDPの7割近くは個人消費なので、ここが、過熱状態が続くと、インフレがぶり返す可能性がある。
FRBとしては、ダメ押し的な利上げを強いられるシナリオだ。
それゆえ、繰り返すが、利上げ減速は、未だ序章なのだ。
シートベルトは低くきつめに締めるべし。
乱気流に注意。
さて、サッカーはやったね~~。
実は、筆者は昨晩、例によって仕事をしていたので、たまたま読み始めたウォール・ストリート・ジャーナル紙の、トップ面で、日本勝利番狂わせの見出しで知った次第。
経済紙がトップ面にこの記事をもってくるのだから、世界的なインパクトだったのだね。
試合の経過を見ると、トレーダー感覚では、月の前半は全くリターンを出せず、後半の後半にビッグチャンスが廻ってきて、最終的には、きっちり数字を出した如き展開であった。
なんにしても、爽快!