毎度、お騒がせ、ブラード・セントルイス連銀総裁が、政策金利予測で、「最もタカ派シナリオ」ならば、7%という数字を明示した。
これまで、最もタカ派の数字としては6%というのがあったが、いきなり7%と来たか。
利上げ減速モードに浸っていた市場にはサプライズ。
金市場には下げ材料。
1,785ドルから1,755ドルまで反落。
ブラード氏の考え方に、ついてゆけない面もあるが、なにせ、先取りして当たってきた実績がある。
昨年2021年の段階で、3月には利上げと断じたときも、市場の反応は半信半疑であったが、結局、同氏の予測どおり2022年3月にFRB利上げが開始された。
その後も、次々に、同氏の予測を追認するごとく、FRBの政策金利水準も急速に切り上がってきた。
それゆえ、市場も内心、「7%まで利上げしたら、副作用の不況もハンパないよ」と思いつつ、渋々ながら、「そういう意見もある」ことを意識せざるを得ない。
民間でも、米国CPIが、若干下がったとはいえ、依然年率7.7%の高水準にあるのだから、本気でインフレの芽を摘む気ならば、7%程度の政策金利もあり得ないと否定は出来ない。
実際、FRBはこれまで、ブラード氏の極論を持て余していた。
しかし、FOMC参加者のなかには、これほどのタカ派がいるということが検証されたわけだ。
とはいえ、あくまで少数意見の域を出ない。
筆者は、7%まで行くとは思わない。
FRB高官のなかで、筆者が好印象を持つのは、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁だね。
宝塚の男役スターが老いたら、こうなる、という感じだが、年齢はともかく、カッコいい。
発言も綺麗な発音で、分かりやすく、難解な金融政策論を説明してくれる。
元来、ハト派だが、今回のインフレ抑制議論では、タカ派に徹して、パウエル金融政策に同意の姿勢だ。
「利上げを止める(pause)など、議論もされていない」と一蹴する。
「私は利上げの終着駅は5%以上と予測している」と、CPI後の利上げ減速モードになかでも、きっぱり言い切った。
市場が見る金利予測も、来年半ばまでに5%超え論が優勢であったが、CPI発表で4.8%へ下落。
しかし、ブラード発言で再び5.2%まで上昇中。
円相場も140円台前後で推移している。
150円を見たので、「円高気味」といわれるが、中期的にはまだまだ「円安トレンド継続」だ。