永遠に上げ続ける相場もなければ下げ続ける相場もない。
これだけは確かなことだ。
では、現状の超円安トレンドはいつ頃まで続くのか。
そのヒントを求めて、FEDウォッチャーと円売り仕掛け人のヘッジファンドが同席する珍しいZOOM会議に参加してみた。
結論から言うと、10~12月期、場合によっては、来年1月まで円安圧力は強いが、その後は、FRBも利上げ効果点検の時期に入る可能性が強い。
FOMCのなかでも最も強いタカ派であるブラード・セントルイス連銀総裁も、まずやるべき利上げをしっかり実行して、その後はインフレ動向を見守る姿勢だ。
フロントローディング(強力な利上げを先行させる)の後はwait-and-see(待って見守る)と語っている。
ドル高については、「いつまでも、今の状況(ドル高)が続くわけでもなかろう」「ドルが別の動きをするかもしれない」と語っている。
但し、そのフロントローディングの期間は、現在想定されている以上の利上げも辞さぬ構えだ。
11月に続き12月FOMCでも0.75%の利上げ。
場合によっては来年1月FOMCでも0.25%程度の利上げの可能性がある。
その場合、今回の利上げの終着駅は5%近くに達するかもしれない。
現在の市場はここまで織り込んでいないが、実際に5%という数字が市場内でそろそろ出始めたので、その織り込みの過程で150円を更に上回る円安局面も十分に考えられる。
ちなみに9月FOMCの時点では、利上げの終着駅は4%台前半が予想中心値であった。
振り返れば、2021年12月ドットチャートでは、2022年末政策金利が1%以下と予想されていた。
それが、2022年3月、6月、9月の期間に、2%、3%そして4%台と切り上がってきた。
要はドットチャートは外れ続きなのだ。
12月に5%近くになっても、現状のインフレ率を見るに、全く不思議ではない。
マーケットでも、政策金利に連動する2年債利回りが4.55%前後まで上がってきた。
今年の傾向としては、市場が先行して利上げを見込み、FRBが、それを追認する如き展開が目立つ。
パウエルFRB議長も「我々が語る前に、マーケットが動く」と語っている。


そして、ここからが本論なのだが、強硬利上げの副作用として景気後退或いはリセッション入りのシナリオが経済統計により確認されたところで、FRBは利上げ停止を宣言、更に、利下げへ政策転換(ピボット)する可能性が強い。
このシナリオは既に市場内でも議論されてきたことだが、フロントローディングの時期が徐々に定まってくると、現実味が増すシナリオになってきた。
それゆえ、為替介入も無理に実行する必要もなかろう。
現時点で世界のドル高の流れに逆行する介入が如何に無力かは、当局が前回の介入で最も強く感じたはずだ。
ここは、無駄玉は打たず、実勢に任せることが賢明ではないか。
実は、投機筋も、強腰だが、内心は戦々恐々。
虎視眈々と円売りの出口を模索しているのだ。
所詮、短期売買の差益を追求する投機家集団だ。
逃げ足も速い。
但し、FRBは高い金利水準を長く続ける(higher,longer)ことで、民間のインフレマインドが定着する事態は絶対に許容しない方針だ。
140円台後半の円安は、少なくも来年半ばまで続くリスクは覚悟すべきであろう。
なお、FRBのミッションには「市場の安定」もある。


イギリス発の国債利回り急騰リスクは、一服したが、減税撤廃・緊縮財政とインフレ対策の利上げという厳しいポリシーミックスの痛みは、特に英国人の低所得者層を直撃する。
英年金の窮状に、米国・ドイツ・フランスでも、自国の年金運用について危機感を抱き始めた。
年金運用リスクが顕在化すると、投資マネーが市場から撤退して、流動性が減少。
資産価格は大きく振れやすくなる。
仮にシステミック・リスクが懸念される事態ともなれば、中央銀行も、救済的金融緩和に追い込まれる。
イングランド銀行の量的緩和一時再開は、その最たる事例だ。
米国市場でも、既に、短期金融市場での流動性不安が懸念されている。
パウエル氏は、短期金融市場での資金オペと量的緩和は全く異次元と断じているが、市場は必ずしも納得していない。
円安については、単に日米金融政策の違いだけではなく、市場の安定性についても目配りが必要である。


さて、今朝の東山の日の出。

 

今朝の東山の日の出

今日も京都は爽やかな快晴。

 

京都の天気

帰京の新幹線内で本稿執筆中。(149円90銭まで来た段階)。
インバウンドと日本人旅行客でかなり混んできた。
とはいえまだまだ序の口。
ビックリしたのは、人気わらび餅専門店に行こうと思い、電話したら「整理券あと数枚です」。
整理券持って並ぶことが当たり前という感じの応答で、待つことが出来ない筆者は即諦めた。
そして、祇園「味 らく山」の続き。
アワビと松茸というシンプルで贅沢な一品。
これをアワビの肝入り醤油につけて食する。

 

アワビと松茸
アワビと松茸2

 

日本人で良かったぁと思う瞬間(笑)
素材をいじらず、作りを変に遊ばず、こういうコラボを作り出すのが料理人のセンス。
大将、いつまでも元気で頑張ってね!


最後に今朝ホテルの一室から配信した最新YouTube。
やり直し編。
というのは、一回目の配信で、うっかりホテルのwifi使ってしまって、途中で途切れてしまったから。
Take2やり直しで、計2回、配信することに。


テーマはやはり円安。