国際金価格は1,620ドル台まで続落。
市場環境は昨日詳述したとおり変わらず。
さて、今日は、ドル円市場介入について、投機筋ヘッジファンドの視点。
今回の為替介入規模が3兆円と試算されていることは、NYのヘッジファンドにも早速ニュースとして伝わった。
日本側では過去最大とのことだが、NY市場は「ピーナッツ」(とるに足らない額)との反応だ。
今やFRBの資産規模は8.8兆ドルにまで膨張している。
2011年の為替介入のときの同資産規模は2兆ドル後半であった。
結局、日本側金融当局は、鉄砲で、高速度取引の機関銃と戦っているようなものだ。
未だにブローカーが外為市場で一定の役割を果たす東京市場との構造格差が鮮明だ。
これでは、止血剤程度の効果しか期待出来まい。
日銀の威光も東京市場止まり。
NY市場に日銀の威光は及ばない。
そもそも今回の円安はNY主導で展開した。
大台突破も日銀が制御できない欧米市場で起こった。
ヘッジファンドの反応を見ていると、日本側の常識的円相場予測が甘く見えてくる。
但し、米国側でも、超ドル高のデメリットも意識され始めた。
大型国際企業の業績への影響も、その一例だ。
さすがに、160円突視野となると、米国財務省も看過できまい。
長期的には円安も最終段階。
短期的には、円安真っ只中。
政策金利との連動制が強い米2年債は4.3%、将来の景況感を映す10年債は3.9%といよいよ4%の大台を窺う。
逆イールドも0.4%近傍まで拡大してしまった。
10年債が上がると、将来の利上げ不況感が強まり、更に、政策金利予測上昇で2年債も上がるという悪循環が繰り返されている。
今や、8%のCPIを2%台で安定的に推移するまで下げるには6%以上の利上げが必要との議論に現実味が増している。
サマーズ元財務長官は、その先鋒に立つ。
最新のドット・チャートではターミナルレートが4.6%でも、同チャートの2021年12月版には2022年のターミナルレートを1%未満と予測していた。
リバース・インディケーター(反面教師)という有り難くない二つ名をつけられたドットチャートについて、パウエル議長も廃止を考慮したこともあると語っている。
ドットチャートは額面取りに受け取るな(a grain of salt)との発言は未だに語り草になっている。
フォワードガイダンスが、その役割を果たせず、これもパウエル氏が、停止の可能性を明言している。
灯台も視界に入らず、未知の海域を海図なしで航海を強いられるパウエルFRB。
年内から2023年にかけては円安の水準がかなり荒々しい乱高下を経て切り下がってゆく傾向を覚悟せねばなるまい。
さて、今日の写真は、裏磐梯、ボナリ高原ゴルフクラブ。
相変わらずの磐梯山。
夕方には、イワシ雲など秋雲が夕焼けのなか360度の大スペクタクル。
本当に感動したよ。