今週は7月26、27日に開催されるFOMCがメインイベント。
日本時間28日早朝のパウエルFRB議長記者会見は、NY市場の大引け前になるため、市場の本格的反応は、日本時間28日夜のNY市場まで待たねばならない。
時系列では28日の東京市場が、FOMCの影響第一波の受け皿になるはずだが、実態は、日本市場に、流動性が乏しく、そもそも、全てがNY市場次第という情けない状況なのだ。
株でもドルでも金でも、第一波の反応は信用できない。過去にも、第二波が強烈に逆方向に出たことが珍しくない。
日本株だけではなく円相場も、その売買の7割は外国人プレーヤーだ。日本市場は、単に、取引の場を提供するだけ。
結局、日本人が寝静まった深夜に、NY市場でドル円が大きく動く事例が多いわけだ。
日本人の得意技は、後講釈。
なんだかんだ理屈をこねて説明してみせる。
それが分かってるなら、なんで自分たちで動かなかったのか、と言いたくなる。
例えば、今回の円安にしても、昨年10月に日経の筆者コラムで、米ヘッジファンドが円を標的にしていると最初に書いたとき、日本市場では、相変わらずの「膠着相場続く」との見方が大半であった。
結局、NY市場に人的ネットワークを構築できていない、あるいは、NY市場の中に入れていないことが露わになる結果となり、後追いばかりであった。
コロナ前に筆者がNY出張して、日本企業のNY支店や支局の人たちに招かれると、必ず、マンハッタン中央にある日本料理屋に連れてゆかれる。
そこには、日本人ディーラー、日本人駐在員、日本人記者たちが集い、傷をなめ合い、情報交換している。
NY駐在といっても2年程度ゆえ、自分の社内履歴のひとつの段階として、無難にこなせばOKという感覚だ。
共通しているのは、英語が不得意。
筆者はブルームバーグ(プロ専用端末)でもコラムで情報発信しているのだが、その読者の殆どは海外の日本人駐在員だ。
「豊島さんのコラムを読んでおけば、今、なにが起きているのか、本社に報告できるので、助かります」と言われると、唖然とするばかりだ。
FOMCにしても、パウエル記者会見には、各国メディアの担当者が出席して、質問をパウエル氏に浴びせるのだが、そこに日本人が見当たらない。
日本人記者が質問に立つのを見たことがない。
偉そうなことを書いているだけに、内弁慶ぶりばかりが目立つ。
欧米メディアは、年齢序列などにはこだわらず、20代女性記者が、質問で食い下がる。
ジェローム・パウエル氏を「ハイ!J(ジェイ)」と気安く呼ぶ。
もし、日銀総裁記者会見で若い女性記者が、ハイ!クロダさん!などと呼びかけたら、どういうことになるだろうか。
日銀記者クラブに所属することは、記者にとってステータスで、黒田総裁との「禅問答」を得意がる姿を見るにつけ、虚しさを感じる。
米国はマイノリティ(少数派)を重視するから、日本人だと名乗って出れば、必ず指名されるはずだ。
指名せねば、マイノリティ無視との批判を浴びるだろう。
さて、今日の札幌は晴れ。最高気温28度。これでも暑く感じる。
筆者の仕事は夜のNY時間が中心ゆえ、午後はゴルフ。
昼食休憩など無しのスルーでプレーが札幌流だ。
時間を有効に使え、ONとOFFのメリハリがつくのも、仕事の効率が良く、ありがたい。