6月米消費者物価上昇率9.1%という所謂CPI ショックで、降って湧いたような7月FOMC1%利上げ説。
9%台のインフレを退治するためには、FOMC会合ごとに0.75%程度の利上げではてぬるい。
ここは1%利上げが必要なのでは。
そのような声が誰ともなく市場内に芽生えたところで、ボスティック・アトランタ連銀総裁が「点検のうえで何でもありうる」と述べた。
肯定をほのめかす発言と受け止められ、米国大手金融機関が相次いで、1%予測に切り換えた。
ところが、その後のFRB高官発言では、ブラード・セントルイス連銀総裁やウォラーFRB理事など数名のFOMC参加者が相次いで「0.75%で可」と発言。
更に、金曜日発表の7月ミシガン大学消費者調査(速報)で消費者の5年後のインフレ予測が2.8%と6月の3.1%より低下したことで、利上げ幅エスカレート予測には待ったがかかった。
6月FOMCで、土壇場で0.75%利上げが決まった理由の一つとして、消費者が見るインフレ率が重視されていたからだ。
この直前の利上げ幅変更は、FOMC会合前の参加者発言自粛期間(ブラックアウト期間)に決まった。
それゆえ今回も7月FOMCが今週から同期間入りしたことで、市場では暗中模索の感が強まる。
同期間入り直前のFRB高官発言を、どこまで信じて良いものか。
ちなみに、ブレークイーブンインフレ期待率(5年)は4月の高値3.5%台から直近では2.6%台にまで低下している。
なお、市場では、FOMC会合ごとの利上げに一喜一憂するのではなく、年末までに政策金利がどこまで上昇するか、という視点で考えるべき、との意見も根強い。
7月も0.75%利上げとなれば、政策金利は、これまで中立金利とされていた2.25%~2.5%のレンジに達する。
年内9月11月12月と、あと3回のFOMCを残すので、12月には政策金利が4%近くまで上昇する可能性が強まる。
年初のゼロ金利水準から1年で超特急の利上げ。
これに9月以降はQTも本格化する。
劇薬投与ともいえる強硬策に、市場では副作用としてのリセッション入りの予測が益々増えてきた。
ドル高円安についても、今回は円売りで大儲けさせてもらったと語るヘッジファンドから、140円が視野に入ったところで、年内いつpause(停止ボタン)押すか、との議論がチラホラ聞かれるようになった。
ときあたかも、2023年にはリセッション入りを前提に早くもFRBの利下げが意識されている。
9月発表のFRB四半期経済見通しに含まれる最新ドットチャートのかたちも、2023年の金利予測水準中央値が2022年を下回る可能性が指摘される。
2022年分が全体的に切り上がり、2023年分が切り下がるとの予測だ。
金利水準の逆転といえば逆イールドも、これまでのドル長短金利差がプラス圏とマイナス圏を行き来する状況から、明確にマイナス圏に留まり、マイナス幅も増加傾向が顕著である。
日銀の金融政策は引き続き変わらず、9月にはFRBが2023年に利上げから利下げに転じるシナリオがより強く意識されれば、積み上がった投機的ポジションの表層雪崩で10円規模の円反騰が生じても不思議はない。
とにかく逃げ足は速いマネーが主導してきた円安である。
円安の構造的要因は変わらないが、さすがにスピード調整の局面は覚悟すべきであろう。
さて、連休終わって、帰札。
やはり札幌は涼しい。
感染急拡大ゆえ、外食を控え、旬の魚介類やメロンを買い込み、部屋で夕食。
メロンは、そろそろ熟し始めた頃が一番旨い。
その時期を超すと、熟れ過ぎとなる。
売り場でも熟してヘタが取れた夕張メロンは3割引きとなる。
それでも東京に出回るメロンとは全く異なり、とにかく旬の味だ。
個人的には雷電メロンがお気に入り。中玉を一気に半分くらい食べてしまう。
というわけで、札幌サテライトオフィスで仕事再開である。
今日の写真は機中から撮った富士山。