イエレン財務長官が、先週のCNN出演で、「インフレを読み間違えた」と告白して話題になったが、昨日は、議会公聴会で懺悔とも読める発言をした。
「私もパウエル氏も、(インフレは一時的と見ていたことに関して)、もっと別な表現があったのではと思っている」と反省答弁したのだ。
更に、イエレン氏についての人物伝が近々書籍として発行されるのだが、その本の著者が「イエレン氏は、2021年に民主党案となった1.9兆ドル規模の大規模財政支出について、インフレ加速が懸念され、1.3兆ドルへの減額を論じた」と書いていることが判明した。
民間エコノミストのなかにも、民主党の大盤振る舞いがインフレの要因との見解が多い。
「要因」とまでゆかなくても、少なくても「一因」となったことは事実だと思う。
市場の視点では、前FRB議長と現FRB議長がインフレを読み誤ったとなると、焦りから金融引き締めを更に強化するシナリオがちらつく。
既にIMFは、物価上昇と不況が同時進行するスタグフレーションのリスクを明示している。
「不況」まで行かずとも、物価上昇と「景気後退」の同時進行シナリオのほうが、より現実的と感じる。
国際金価格が下がっても1,800ドル台という歴史的高値圏に留まるのも、スタグフレーション懸念が下支えになっている。
更に、インフレ対応としての利上げが更に強化されるとの読みがドル買い円売りを加速させている。
既に133円台に突入した。欧州でもインフレが進行して、ECB(欧州中央銀行)も利上げに積極的な姿勢を見せていることがユーロ買いを誘うことも、円売りを促進させている。
ドル買いで売られる通貨としてユーロより円が選択される傾向が強まろう。
オーストラリアも利上げに動き、主要国でまさに日本だけが粛々と量的緩和を続ける(或いは、続けざるを得ない)ことが浮き彫りになっている。
日本経済の脆弱性が目立つ。思い起こせば、そもそも、コロナ直前に、日本経済成長には強いブレーキがかかっていた。
外国人投資家・投機家の円売り選好ムードがコロナ前から既に醸成されていたわけだ。
これが、将来的に「日本見切り売り」となると150円も覚悟せざるを得まい。
円建て金価格には強い下支え要因である。
さて今日の写真は、最近気に入っているフォーシーズンズホテル東京大手町のアフタヌーンティー。
今月はメロンを色々使ったコース。甘すぎず、センスが良いので、筆者の定番コースに入り。
酒は飲まないので、アフタヌーンティーのセッションが必然的に多くなる傾向。
とはいえ、おっさん3~4人で、こういう可愛いメロンコースを囲む景色はかなり笑えるが。