株価と金価格は逆相関というのが教科書的記述だ。
しかし、最近は株と金が同時に買われたり売られたりすることが多い(正の相関)。
直近の事例では、米国経済指標が悪化すると、株価も金価格も上がる傾向がある。景気減退で金が買われるのは当然のことだが、株が同時に買われるのは何故か。
景気後退の予兆が出ると、FRBの利上げの回数が減る(タカ派に転じたとされるFRBがハト派になる)可能性が強まるからだ。
不景気の経済の金融を引き締めれば、傷口に塩の如き痛みが生じる。
それゆえ、バイデン大統領にしても、インフレは退治せねばならぬが、国民の痛みは最小限に留めてほしい、というのが本音だ。
しかし、FRBにはインフレ退治が最大の問題ゆえ、多少の痛みを我慢せよ、ということになる。


いっぽう、適度の金融引き締めでインフレが鎮静化に向かい、過熱気味の経済も鎮静化して、熱すぎず冷えすぎず、適温の経済となれば、株価は上がり金は下がるであろう。
逆に、インフレと景気後退が同時進行するスタグフレーションともなれば、株は急落、金は急騰となろう。

さて、サイコロは、どちらにでるか。丁か半か。
9月くらいには明らかになろう。