NY市場全体に不安定な状況が続くなかで、やっと金市場が反応。
1,840ドル台を回復した。
いっぽう、円相場は円売りポジションの短期巻き戻しで127円台。
市場の不安を示すVIX指数(恐怖指数)は、30前後で、引き続き警戒ゾーンにある。
株式市場では依然弱気論が強い。株価が反騰してもbear market rally(下げ相場の過程での一時的反騰)と解釈される。
株価の底打ちはいつか、との議論が活発である。
債券市場では、安全資産としての米国債買いの影響で、ドル金利急上昇には歯止めが掛かっている。(債券が買われると利回りは下がる)。
原油価格(WTI先物)は111まで上昇。
インフレ懸念は根強い。
このように各市場を点検すると、金価格上昇の地合いは整っている。
それゆえ、やっと金価格も反応したか、というわけだ。
筆者の注目点は、北京上海ロックダウンの中国経済への影響。
ロックダウンは解除の方向に向かっているが、習近平主導のゼロコロナ政策は変わらない。
いつロックダウンが再実施されても不思議はない状況だ。
中国政府ゼロコロナの経済的ダメージに経済政策で対応する構えだが、経済減速・インフレ助長をどこまで抑え込めるか。
中国発のスタグフレーションのシナリオもちらつく。
個人的に決して望ましいシナリオではなく、そうなってほしくはないが、金価格の視点では、上昇要因となる。