昨晩のNY株式市場はダウ1,164ドル暴落。
更に、ナスダックの下げがきつい。
「ツワモノ」を自認する米国人投資家たちも、さすがに顔色が青ざめている。
これまでの例では、ダウが日中1,000ドル以上急落しても、引けにかけて買い戻され、500~600ドル程度の下げで終わったものだ。
しかし、昨晩は、1,100ドル超の下げのあとのリバウンドがなく、結局、安値圏のまま引けた。
まともなファンドは、現金保有を増やし、様子見に徹している。
今、株式市場を荒らしているのは、小者のファンドばかりだ。
それゆえ、筆者は、いまのNY株式相場をまともに受け止めていない。
今晩も、NY市場は追わず、今日から始まるゴルフの全米プロ(男子)中継でも見るつもりだ。
結局、過剰流動性(カネ余り)時代から流動性圧縮時代への移行期なのだ。
カネ余り時代にもてはやされたビットコインが高値の半値以下に暴落したことが象徴的だ。
多くの投資家が未だに過剰流動性時代の「なんでも上がる相場」気分から抜け切れず、「夢をもう一度」追いかけている。
NY金は1,805~1,825ドルのレンジで推移している(KITCOグラフ赤線)。
長期で見れば歴史的高値圏である1,800ドル台を維持していると受け止めている。
2,000ドル台の記憶が未だに鮮明に残るので、市場では、特に短期筋が「金が下がった」と大騒ぎしている。
通信社が伝える場況も、短期の価格変動ばかり。
価格が動かねば、干上がってしまうからだ。
さて、今日は、財務省OBの後輩が、「これから金の時代です。日本の財政は破綻します。」と言ってきた。
特に、トンデモ本に洗脳されたわけではなく、日本の財政の実相を知り尽くしている立場ゆえ、悲観論に走っているのだ。
資産の半分は金で持ちたい、というので、せいぜい3割程度にしておけ、と抑えておいた。
金というのは、好き嫌いが極端だ。
金に惚れ込むと所謂gold bug(金の虫)になり、金にのめりこむ。
逆に、金嫌いの人は、わけもなく、金などまともな資産ではない、と切捨てる。
金の輝きが、人間の理性を狂わせるのか。
こちらが冷静に説いても、好き嫌いの感情はなかなか変わらないものだ。
件の財務省OBも、多分、私のアドバイスは聞かず、財産の半分以上を金で持つであろう。